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【石炭】

発展改革委員会、今年下半期のコークスの輸出政策を調整し淘汰を促進 (2007/08/22)
2007/11/19
中国【石炭】

 発展改革委員会は今後、コークス産業の省エネ措置を促進する一連の対策措置を策定し、優遇政策については、公布済みの『コークス産業参入条件』に適合する企業108社に重点を置いて適用することになる。また、下半期にはコークス輸出を規範化する政策措置の研究、策定に取り組む。この輸出調整政策にはコークスの割当、企業の輸出資格基準や輸出税などが盛り込まれるだろう。

 発展改革委員会は、土地、環境評価、融資等の面で新規事業参入基準の厳格化や、時代遅れの生産能力を撤退させる制度の完備を図っているが、上半期にはコークス需要が拡大する一方で、コークス産業の集中度が低下した。『コークス産業参入条件』に適合する108社はコークス総生産能力のわずか40%を占めているにすぎない。また、上半期のコークス総生産量のうち、重点大中型鉄鋼複合企業系コークス工場の生産量の伸びは2.74ポイント低下し、同種のコークス工場のシェアを50%に引き上げる目標にはまだまだ遠い。

 1〜5月に、コークス産業全体は黒字への転換を実現したものの、依然32.68%の企業は赤字状態にある。コークス用原料炭の価格とコークス生産コストから言えば、コークス価格は未だ然るべき価格に上昇していない。ここ数ヶ月のコークス生産量の急増や鋼材価格の低下などの状況から見て、コークス価格上昇の条件は未だ整っていないと言える。コークス産業のリスクはすでに顕在化しており、コークス生産量の急激な伸びを抑える必要があるだろう。

 国務院が先頃公布した『省エネ・排出削減総合対策方案』は、第11次5ヵ年規画期に4.3メートル以下の小型コークス炉の生産能力8,000万トンを淘汰するとしており、今年の淘汰のノルマは1,000万トンになる。すでに20余りの省から淘汰対象企業のリストが申告されており、生産能力の淘汰は2,000万トンに及ぶとされる。

 今年上半期に稼働を開始した新規のコークス生産能力は1,045万トン、下半期には新たに1,000万トンの生産能力が稼動を開始する。中国コークス産業協会秘書長・楊文彪は、時代遅れの生産能力を淘汰するには、新規のコークス炉の建設を規制して、コークス市場の需給バランスを取ることが必要であると指摘する。また、同協会の黄金干会長は、独立コークス企業は、石炭資源とコークス消費産業の連鎖を構築するよう努め、コークス用原料炭の生産拠点と鉄鋼などコークス大口需要家との提携を進めなければならないとした。

 時代遅れの生産能力の淘汰と輸出の制限が当面のコークス産業政策の力点になる。

(中国能源網 8月22日)