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中国
【原子力】

四川大地震 今後の原子力発電計画にも影響か (08/05/21)
2008/5/21
中国【原子力】

 中国電力企業聯合会のある専門家は、今回の四川大地震発生を受けて、国は原子力発電所の立地に一層慎重になる可能性があると述べた。

 この数年、中部地区の多くの省や直轄市は国に原子力発電所建設を申請しているが、中でも四川省は最も積極的な省の1つである。

 専門家の見るところでは、四川省のエネルギー構造は不合理であり、総発電容量の中で最も大きい割合を占めるのは水力発電である。2007年の四川省の水力発電設備容量は1,880万kW、総発電容量の62%を占めた。こうしたエネルギー構造を改めるには、石炭火力発電と原子力発電を増やすしかないが、四川省の石炭資源は乏しく、省外からの石炭調達ルートも円滑でないため、原子力発電の開発がエネルギー構造を転換する上で重要な政策になる。

 しかも、現地政府筋によると、四川省は原子力発電開発を進める上で有利な条件が整っている。四川省には、原子力の科学研究、実験、設計を一体化した中国核動力研究院やニュークリア・アイランドの設計で実績のある西南電力設計院、原子力発電プラントメーカーである東方電気集団公司、さらに宜賓核燃料生産廠など、関係企業や機関が集まっているのである。

 しかしながら、原子力発電所の立地条件の中で最も重要なのは地質条件であり、地震帯に原子力発電所を建設するわけにはいかない。2007年7月の中越地震で震源地から9kmの柏崎刈羽原子力発電所に出火と放射性の水の漏洩が発生した一件は記憶に新しい。

 国家発展改革委員会能源研究所のある専門家によると、四川、湖南、湖北、江西、重慶、広西などエネルギーが乏しい内陸部の省・直轄市は発展改革委員会に原子力発電所建設の申請を提出しているとのこと。また、『南充日報』の報道によると、今年の四川省人民代表大会において、四川原子力発電事業の最初の予定地が蓬安三●に確定し、国家電力規画総院も承認したことが明らかにされている。

 (金羊網 5月21日)

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