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【石炭】

中国石炭市場 今年は全体的に逼迫 純輸入の可能性も (08/05/27)
2008/5/27
中国【石炭】

 中国石炭運輸販売協会の楊顕峰事務局長は24日、「第4回中国エネルギー戦略フォーラム・石炭産業サミット」において、今年の中国石炭市場は需給ともに伸びが減速するものの、全体的に昨年よりも逼迫し、今年、中国は石炭純輸入国になるとの予想を示した。

 楊顕峰氏によると、今年、石炭生産能力は増えるが、輸送の制約が増し、石炭有効供給能力の伸びは著しく低下する。今年は新規の石炭生産能力2.4億トン以上が操業を開始して、今年末の石炭生産能力は29.8億トン(2007年末は27.4億トン)になる。一方、石炭需要は最大でも28.2億トンに止まり、生産過剰になる。しかし、2008年の国有鉄道の石炭輸送能力は約6,000万トン増え、神朔−朔黄線(陝西省神木−山西省朔州・山西省神池−河北省黄●)鉄道が1,400万トン増えるものの、伸びは2007年に比べ大幅に低下し、このため、石炭有効供給能力の伸びも著しく低下する。

一方、今年の石炭需要の伸びは6〜8%に低下し、需要量は27.4〜28.2億トンになる。マクロ経済調整の影響で、石炭需要の大きい産業の投資の伸びが低下し、主要な石炭消費製品の生産量の伸びも低下する。中でも火力発電の発電量の伸びは12%、銑鉄生産量は約9%、セメント生産量は11%に下がる。

 生産能力は過剰になるものの、中国は今年、石炭純輸入国になる。その理由として、国内の石炭有効供給能力が全体的に逼迫傾向を示すこと、東南沿海部の新規火力発電ユニットは多いが、輸送の制約を受けるため、同地区は依然石炭供給が不足し、輸入を必要とすることなどが挙げられる。また、一方では、中国の石炭輸出が政策によってますます制約されることもある。

 中国の石炭輸出は近年減少を続けており、一方、輸入の増加傾向は続いている。今年3月期の石炭輸入量は輸出量を275万トン上回って、純輸入となった。また、第1四半期の石炭輸入量は前年同期比21.3%の1,126万トンであったが、輸出量は10.7%減の1,020万トンとなった。なお、中国が初めて石炭純輸入国になったのは2007年第1四半期であり、同期の純輸入は289万トンになった。

 中国の石炭資源は豊かであり、今後海外の石炭に対する依存は大きくならないとの見方もあるが、当面の問題は中国の石炭有効供給能力が十分でないことである。石炭純輸入は一時的な現象に過ぎないとはいえ、中国が今後石炭純輸入国に転じないというわけではない。もっとも、中国の石炭輸出入は全体的には平衡を示すだろう。

(中国煤炭資源網 5月27日)

 黄●…馬ヘンに華