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中国
【省エネ・環境】

中国の環境汚染は共産党政権にとって重大な挑戦 ― ニューヨークタイムズ紙 (2007/08/26)
2007/11/22
中国【省エネ・環境】

「ニューヨークタイムズ」は25日付の報道で、中国が経済成長を追求する中で環境汚染問題は日増しに深刻化し、中国共産党にとって厳しい挑戦状を突きつけているとして、次のように報じた。

 中国衛生部の統計によると、環境汚染はガン発病の最大要因となっており、毎年多数の中国人がガンで亡くなっている。中国には飲用水にも事欠く国民は5億人に上る。

 EUの統計によると、中国の5億6,000万人の都市住民のうち、安全な大気環境の中で生活しているのはわずか1%に過ぎない。

 当初の予想では、中国は2010年に米国を抜いて世界一の二酸化炭素排出国になると予想されていたが、IEAは今年末には中国は世界一になると予想し、また、オランダの環境評価機関はすでに中国が世界一になったと見ている。

 中国内部の未公開資料によると、2003年に30万人の中国人が大気汚染に起因する心臓疾患や肺ガンの疾病が原因で亡くなっており、11万人が石炭や薪の燃焼による室内の空気の悪化が原因で亡くなった。

 大気汚染が原因で亡くなる人数は、2010年には38万人、2020年には55万人になるとの予想もある。

 中国はエネルギー及び環境保護部門の人材が不足しており、環境保護部門の職員数は、米国が18,000名であるのに対し、わずか200名に過ぎない。エネルギー部門の職員は、米国の11万名に対し、中国は国家発展改革委員会能源局に100名が在籍しているだけである。

 史上稀に見る環境汚染問題にも関わらず、環境NGOによる環境保護運動に対しても、当局への批判を慎むよう指導がなされている。

深刻な環境の退化は、国内的にも国際的にもすでに影響が及んでおり、やがては共産党政権にも危害が及ぶことになろう。