国家発展改革委員会は「再生エネルギー法」を具体化する一環として、「再生可能エネルギー中長期発展計画」を公布した。再生可能エネルギー資源の合理的な開発と利用を進め、省エネ、省資源と環境保護を促進し、地球の温暖化に対応するのが制定目的である。 これより先、第11次5ヵ年規画期エネルギー発展計画が策定されていたが、同計画が5年間の総合エネルギー計画であるのに対し、今回公布された「再生可能エネルギー中長期発展計画」は、再生可能エネルギーに重点を置いた今後15年間にわたる専門長期計画である。 こうした専門的な再生可能エネルギー計画を策定した背景には、エネルギーの70%を石炭に依存する中国固有のエネルギー構造問題や、中国も大国として責任を負うべき地球温暖化対策があり、中国は今後再生可能エネルギーを活用して自国のエネルギー構造を調整することが求められる。 「再生可能エネルギー中長期発展計画」は、現在から2020年までの再生可能エネルギー発展目標を打ち出している。今後15年間の再生可能エネルギーの発展は、エネルギー消費に占める再生可能エネルギーの比率を高めること、辺境の電力未供給地区の電力使用問題と農村の生活用燃料問題を解決すること、有機廃棄物のエネルギーとしての利用を促進すること、再生可能エネルギー技術の産業化を推進することが総合目標となる。具体的な数値目標としては、エネルギー総消費量に占める再生可能エネルギーの比率を2010年に10%、2020年には15%に高めるとしている。 また、具体的な項目として、「再生可能エネルギー中長期発展計画」は、今後一定の間、中国の再生可能エネルギー発展は、水力エネルギー、バイオマスエネルギー、風力エネルギー及び太陽エネルギーに重点を置くとしている。2020年までに、水力発電3億kW、風力発電3,000万kW、バイオマス発電3,000万kW、ソーラー発電180万kWを建設する。さらに、2020年までに太陽熱温水器3億m2、メタンガス年間利用量440億m3、バイオマス成形燃料5,000万トンを達成し、非穀物系バイオ液体燃料を発展させて年間1,000万トンの石油に代替させるよう計画している。 国家発展改革委員会副主任・陳徳銘の説明によると、再生可能エネルギーは中国にとって特別な意義を有している。第1に、再生可能エネルギーの使用によって広大な農村地区の発展を推進することができる。第2に、中国経済は成長方式の転換を迫られているが、再生可能エネルギーは産業と技術発展の新たな重点になる。第3に、再生可能エネルギー分野において、世界各国は様々な技術革新の共通課題に対し共同で対応することになり、革新型国家の建設過程にある中国にとっては、再生可能エネルギー分野でもチャンスを捉えて速やかに発展することが可能になるだろう。 再生可能エネルギーを発展させる意義は極めて大きいが、しかし、今のところ中国の再生可能エネルギー産業は極めて規模が小さく、今後も大きな困難が付きまとう。困難の1つは、資源が分散しており、エネルギーの密度が低いことである。例えばバイオマス原料は多くの農家に分散している。第2に、技術が未熟で、開発と利用のコストが高く、化石燃料よりも高価になる。 こうした問題に対応するため、政府は主に次の5つの対策措置を取ることになる。 (1) 風力と太陽エネルギーの使用を奨励し、費用分担制を取る。すなわち、コストが在来型エネルギーを上回る部分については、全国範囲で分担する。 (2) 専門基金からの補助金交付や税の減免など財政、課税上の優遇政策を採用する。 (3) 市場シェアの強制割当や市場環境の改善なども含め、市場の育成を図る。例えば、不動産開発に際しては太陽エネルギーの利用を義務付けるなど。 (4) 科学技術投資、教育投資の拡大や人材育成など、再生可能エネルギーの開発能力を強化する。 (5) 再生可能エネルギーの意義や利用方法に関する宣伝を強化して、社会全体の意識を高め、全国民が参加するよう図る。 (国家発展改革委員会ウェブサイト 9月4日)
国家発展改革委員会は「再生エネルギー法」を具体化する一環として、「再生可能エネルギー中長期発展計画」を公布した。再生可能エネルギー資源の合理的な開発と利用を進め、省エネ、省資源と環境保護を促進し、地球の温暖化に対応するのが制定目的である。
これより先、第11次5ヵ年規画期エネルギー発展計画が策定されていたが、同計画が5年間の総合エネルギー計画であるのに対し、今回公布された「再生可能エネルギー中長期発展計画」は、再生可能エネルギーに重点を置いた今後15年間にわたる専門長期計画である。
こうした専門的な再生可能エネルギー計画を策定した背景には、エネルギーの70%を石炭に依存する中国固有のエネルギー構造問題や、中国も大国として責任を負うべき地球温暖化対策があり、中国は今後再生可能エネルギーを活用して自国のエネルギー構造を調整することが求められる。
「再生可能エネルギー中長期発展計画」は、現在から2020年までの再生可能エネルギー発展目標を打ち出している。今後15年間の再生可能エネルギーの発展は、エネルギー消費に占める再生可能エネルギーの比率を高めること、辺境の電力未供給地区の電力使用問題と農村の生活用燃料問題を解決すること、有機廃棄物のエネルギーとしての利用を促進すること、再生可能エネルギー技術の産業化を推進することが総合目標となる。具体的な数値目標としては、エネルギー総消費量に占める再生可能エネルギーの比率を2010年に10%、2020年には15%に高めるとしている。
また、具体的な項目として、「再生可能エネルギー中長期発展計画」は、今後一定の間、中国の再生可能エネルギー発展は、水力エネルギー、バイオマスエネルギー、風力エネルギー及び太陽エネルギーに重点を置くとしている。2020年までに、水力発電3億kW、風力発電3,000万kW、バイオマス発電3,000万kW、ソーラー発電180万kWを建設する。さらに、2020年までに太陽熱温水器3億m2、メタンガス年間利用量440億m3、バイオマス成形燃料5,000万トンを達成し、非穀物系バイオ液体燃料を発展させて年間1,000万トンの石油に代替させるよう計画している。
国家発展改革委員会副主任・陳徳銘の説明によると、再生可能エネルギーは中国にとって特別な意義を有している。第1に、再生可能エネルギーの使用によって広大な農村地区の発展を推進することができる。第2に、中国経済は成長方式の転換を迫られているが、再生可能エネルギーは産業と技術発展の新たな重点になる。第3に、再生可能エネルギー分野において、世界各国は様々な技術革新の共通課題に対し共同で対応することになり、革新型国家の建設過程にある中国にとっては、再生可能エネルギー分野でもチャンスを捉えて速やかに発展することが可能になるだろう。
再生可能エネルギーを発展させる意義は極めて大きいが、しかし、今のところ中国の再生可能エネルギー産業は極めて規模が小さく、今後も大きな困難が付きまとう。困難の1つは、資源が分散しており、エネルギーの密度が低いことである。例えばバイオマス原料は多くの農家に分散している。第2に、技術が未熟で、開発と利用のコストが高く、化石燃料よりも高価になる。
こうした問題に対応するため、政府は主に次の5つの対策措置を取ることになる。
(1) 風力と太陽エネルギーの使用を奨励し、費用分担制を取る。すなわち、コストが在来型エネルギーを上回る部分については、全国範囲で分担する。
(2) 専門基金からの補助金交付や税の減免など財政、課税上の優遇政策を採用する。
(3) 市場シェアの強制割当や市場環境の改善なども含め、市場の育成を図る。例えば、不動産開発に際しては太陽エネルギーの利用を義務付けるなど。
(4) 科学技術投資、教育投資の拡大や人材育成など、再生可能エネルギーの開発能力を強化する。
(5) 再生可能エネルギーの意義や利用方法に関する宣伝を強化して、社会全体の意識を高め、全国民が参加するよう図る。
(国家発展改革委員会ウェブサイト 9月4日)