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アジア
【石油・天然ガス】

アフリカの石油開発に邁進するインド (07/09/04)
2007/9/4
アジア【石油・天然ガス】

 経済成長に伴い、インドのエネルギー需要は日増しに拡大しているが、国内のエネルギー資源は乏しく、毎年巨額の外貨を支払って石油と天然ガスを輸入しなければならない。エネルギー問題はインドの経済発展を制約するボトルネックとなっている。2005年以降、インドは、南米、アジア、欧州等で石油の探鉱に力を入れるとともに、アフリカの石油開発分野への進出も加速させている。

 インドの石油資源は乏しく、天然ガス埋蔵量も極めて小さい。BPの統計によると、2006年末のインドの石油確認埋蔵量は57億バレル、5年前に比べ9億バレル増加したにすぎない。原油日産量は80.7万バレルであり、現在の生産ペースだと可採年数はわずか19.3年である。

 しかし、インドは世界的主要石油消費国である。2006年の1日当たり石油消費量は約257万バレルに上り、5年前に比べ13%増加した。国内の資源が限られているため、インドは石油の75%を輸入に依存している。インド工業部門の官僚によると、2006年度のGDPのうち石油輸入額が7%前後を占めた。IEAの予測によると、インドの石油依存度は、2030年には75〜90%に上昇する。

 高価格での石油の大量輸入はインドの経済と財政に負担を与えている。インド財政省の官僚によると、国際原油価格が1バレル当たり5ドル上昇する毎に、インドのGDPの伸びは0.5ポイント低下し、インフレ率は1.5ポイント上昇する。

高度経済成長を支えるため、インドはアフリカの石油資源の探鉱と開発を強化している。

 アフリカ最大の産油国ナイジェリアでは、インド石油天然ガス公社ONGCが日産量65万バレルと予想される深海石油鉱区2ヵ所の開発権を取得した。ONGCはその見返りに、ナイジェリアの電力、鉄道、石油精製、農業等のインフラ建設に60億ドルを投資する予定である。また、ナイジェリアと1日当たり4万バレルの長期原油輸入契約を結んでいる。

 中央アフリカのガボンでもインドのIOC、IOCL、ONGCなど4社は2005年、ガボン政府と石油開発契約を結び、Shakthi油田の探鉱開発権を得た。

 インドはスーダンの石油開発にも15億ドル投資している。米国エネルギー情報局の報告によると、現時点でスーダン石油採掘量はわずか10億バレルにすぎず、インドはスーダンの石油採掘を重点投資領域と位置づけている。

 石油確認埋蔵量450〜500億バレル、天然ガス埋蔵量1.29兆m3に上る北アフリカのリビアでもインドは油田開発権を獲得するとともに、排他的買収によりフランスのモレル・プロム社の在アフリカ資産を取得した。また、インドはアンゴラ等でも石油探鉱開発プロジェクトを獲得している。

 アフリカは今や世界の重要産油地区の1つであり、原油日産量は現在1,000万バレル余り、世界の約12%を占めている。深海探鉱技術の応用やギニア湾地区の新油田発見により、アフリカの石油確認埋蔵量は絶えず増加している。2010年にアフリカの石油生産量は世界の総生産量の20%を占めると専門家は予想している。

 (中国石油報 9月4日)