1. HOME
  2. 中国 【新エネルギー】

中国
【新エネルギー】

ペトロチャイナが海外の炭層ガス開発に本腰 (08/12/03)
2008/12/3
中国【新エネルギー】

 今年9月に発足したばかりの中国石油煤層気分公司は早くも海外進出に本腰を入れている。同公司は中国の石炭企業と提携して海外の炭層ガス資源を獲得し、それを中国のエネルギー供給基地にしようとしているのである。中国石油勘探開発研究院の関係者が明らかにした。

 ペトロチャイナは最近、インドネシアにおける炭層ガス共同開発をスタートさせた。但し、今回の提携相手は現地の炭層ガス開発企業や石油・天然ガス企業ではないとのことである。上述の中国石油勘探開発研究院の関係者はそれ以上の詳細な情報を明らかにしていない。

 ペトロチャイナはオーストラリアや米国等においても炭層ガス共同開発に前向きである。こちらの提携相手には現地の炭層ガス開発企業や石油・天然ガス企業も含まれる。外国の炭層ガス開発企業が中国に参入する目論見と同様に、ペトロチャイナもまた、最も有利で最も開発の容易な鉱区を選定しようとしているのである。ペトロチャイナとしては炭層ガス開発の実現が早ければ早いほど国際化の面でもますます有利になると、前述の勘探開発研究院関係者は指摘する。

 提携方式については、勘探開発研究院関係者によると、中国の石炭企業と共同で、出資や生産物分与契約の締結により石炭並びに炭層ガスの鉱区全体を手に入れるよう図っているとのこと。ペトロチャイナはすでに中国の一部石炭企業との間で戦略協力協議書に調印している。

 中国石油煤層気分公司は、資本金わずか5億元であるが、今後増資や借入金によって資金力を増強することも出来る。また、炭層ガス以外の他の新エネルギー事業に携わる可能性もある。

 ペトロチャイナの炭層ガス開発計画によると、2010年には生産能力を30億m3とし、うち15億m3の生産能力を山西省泌水盆地に建設することが目標になる。ペトロチャイナが本来50%出資していたが最近資本を引き上げた中聯煤層気有限責任公司(CUCBM)の生産井450坑のうち190坑をペトロチャイナはCUCBM分割に伴って獲得した。また、ペトロチャイナは今年6月には中国初の炭層ガスパイプラインに着工したが、このパイプラインをペトロチャイナ保有の西気東輸パイプラインに連携することも計画されている。さらに、ペトロチャイナは炭層ガス開発の対外協力独占権を獲得する見込みもあると業界筋は見ている。

 しかし、中国石油大学炭層ガス研究センターの張遂安氏によると、ペトロチャイナの中で中国石油煤層気分公司の格は各地の石油分公司並みであり、煤層気分公司が他の分公司から炭層ガス資源を手にするのは容易ではなく、今後の発展の可能性は不透明である。前述の勘探開発研究院関係者によると、煤層気分公司は、今後炭層ガスの探鉱と開発を全国展開することになり、将来的にはペトロチャイナの各地の炭層ガス業務を統合するに違いないが、華北油田に属する泌水盆地の鉱区が煤層気分公司に統合されることはないとのことである。

 (中証網 12月3日)