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中国
【石炭】

大規模な実用化開発の進む中国の炭層ガス (07/09/24)
2007/11/22
中国【石炭】

 炭層ガス採掘の専門家である王宝玉氏は、「米国やカナダ等の炭層ガス産業はすでに相当の規模を備えているが、中国の炭層ガス産業は今後の開発が期待される日の出産業である」と述べている。中国の炭層ガス総資源量は31兆m3、その中で資源条件に優れ、開発の見通しの良好な資源は16兆m3に上る。特に山西省の炭層ガス資源埋蔵量は全国の約3分の1を占め、中でも泌水、河東の資源量は米国の炭層ガス資源集中エリアのそれに匹敵する。

 河南鄭州燃気集団と山西晋城無煙煤鉱業集団は炭層ガス共同開発の枠組み合意に達した。炭層ガス輸送パイプラインが完成すると、晋城集団は鄭州に年間8〜10億m3の炭層ガスを供給することになる。これは現在の鄭州への天然ガス供給量の3倍に当たる。鄭州市の天然ガスは少なくとも3億m3不足しており、炭層ガスによって鄭州の天然ガスを補充することが可能になる。双方は炭層ガスパイプラインを共同で建設することになり、2008年には完成する予定である。

 今年7月、香港中華煤気と晋城煤業集団の合弁による炭層ガス液化プロジェクトが着工された。液化処理された炭層ガスは江蘇、浙江等の発展地区に輸送され、やはり天然ガスを補完することになる。晋城煤業集団は、2008年に日量125万m3の炭層ガス生産能力を形成するよう計画しており、中国最大の炭層ガス液化基地となるだろう。香港中華煤気は、中国の炭層ガス市場は有望であると見ており、山西、陝西、内蒙古等の炭層ガス資源密集地区において事業化可能性調査を進めている。

 炭層ガス発電分野では、イェンバッハ社の内燃機技術を利用した米国GEグループの山西省陽泉炭層ガス発電事業はすでに運転を開始している。

 伊藤忠商事は山西省と戦略提携協議書に調印した。双方の共同開発には炭層ガス利用など5件のエネルギープロジェクトが盛り込まれている。

 炭層ガスの対外提携独占権を有する中聯煤層公司は目下外国企業18社との間で28件の大型炭層ガス開発利用プロジェクトを進めており、うち15件は米国企業との共同事業になる。

 山西省社会科学院エネルギー研究所の王宏英研究員によると、中国の炭層ガス産業は10数年の探鉱、開発並びに事業化モデルを経て、今では大規模実用化開発の時代に入っている。

 (中国煤炭資源網 9月24日)