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【電力】

中国 5月の電力使用量の減少幅が縮小 重工業の使用量が前月比で反転上昇 (09/06/15)
2009/6/15
中国【電力】

 中国電力企業聯合会の統計によると、5月の中国の全国電力使用量は前年同期比2.57%減となり、減少幅は4月の3.63%に比べると1ポイント近く縮小したものの、3月の2.01%に比べるとなお大きい。全国電力使用量の6割近くを占める重工業の5月の電力使用量は、前月比では反転上昇した。

 今年1〜5月の電力使用量は前年同期比3.66%のマイナスで、1〜4月の電力使用量は4.03%のマイナスになる。重工業の1〜5月の電力使用量は前年同期比7.79%のマイナスになり、1〜4月は8.62%のマイナスであった。

 月間使用量で比較すると、重工業の電力使用量の回復は顕著であり、4月の電力使用量は前年同期比8.5%の減少であったのが、5月の減少幅は4.9%に縮小した。重工業の電力使用の回復は、5月の鉄鋼生産量が前月比で約7%増加したことが重工業の電力使用量を押し上げたためと見られる。

 重工業の中では、1〜5月の製造業の電力使用量が−8.18%になって、重工業の平均7.79%を下回った。採鉱業は−6.68%。

 中国の重工業は全体的に情勢を楽観できないが、5月の電力使用統計を見る限りでは全体的に好ましい方向にあり、5月以降の発電量の減少幅が月を追うごとに縮小するとの見方が一般である。

 1〜5月の第一次産業の電力使用量は338.87億kWh、前年同期比4.81%増、第二次産業は9,849.66億kWh、前年同期比7.39%減、第三次産業は1,480.03億kWh、前年同期比8.21%増であった。

 エネルギー多消費産業の集中している地域では、今年の初めから現在に到るまで、発電量及び電力使用量の回復ペースが全国平均水準を下回っている。また、東南沿海部の電力使用量の回復は主に外需に依存し、段階的な回復傾向が出ているものの、内需依存であれ、外需依存であれ、経済回復の過程は不透明である。

 (中国証券報 6月15日)