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【電力】

中国 6月中旬の1日当たり平均発電量がプラスに転じるも工業生産回復基盤は依然脆弱 (09/06/24)
2009/6/24
中国【電力】

 6月中旬の全国の1日当たり平均発電量はマイナスからプラスに転じた。

 国家電網公司指令センターの統計によると、6月中旬の全国の1日当たり平均発電量は前年同期比3.8%増えた。なお、今年5月上旬は−3.9%、中旬は−0.57%、下旬は−5.66%、6月上旬は−0.2%であった。

 地域別では、これまでマイナスが続いていた広東省の発電量の伸び率は12.3%になり、江蘇省は2.6%、浙江省が9.6%に達した。その他の沿海地区も大幅な低下局面は終息し、徐々にプラスへと回復しつつある。

 また、西部のエネルギー多消費産業が集中している省でも、発電量の2ケタ台の大幅な低下は終息した。例えば、雲南省の発電所の伸び率は18.4%に達したが、このことは雲南省のエネルギー多消費企業に対する支援政策が背景にある。但し、エネルギー多消費産業が集中している地区の多くは依然として発電量の低下が続いており、内蒙古自治区は−6.1%、山西省は−2.4%、甘粛省は−8.3%になった。

 専門家によると、鉄鋼、電解アルミなどのエネルギー多消費産業の生産回復に伴い、下半期には発電量、電力使用量ともにプラスに回復するだろう。

 6月中旬の発電量が前月に比べ大幅に増えた原因には、気温が徐々に上がったことがある。例年6月から気温の上昇につれて電力使用量も日増しに増加しているが、基数になる昨年同時期には6月から電力使用量が大幅に低下したことも背景にある。

 国家情報センター経済予測部マクロ経済研究室の牛犁副主任によると、現在の状況から見て、経済の急成長期に戻ったとは断言できない。また、工業情報化部も、工業経済の伸び率の大幅な低下からは転換したものの、回復の基盤は依然堅固ではないとしている。実際、工業品輸出の減少率はますます高くなっており、5月の中国の輸出額は前年同期比21.8%減となり、減少率は4月のそれを3.8ポイント上回った。

 (毎日経済新聞 6月24日)