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中国
【電力】

中国 6月の発電量が3.6%増 昨年10月以来のプラス (09/07/03)
2009/7/6
中国【電力】

 国家電網のデータによると、6月下旬の発電量は前年同期比7%もの増加になり、6月の発電量は3.6%増と2008年10月以来のプラスに転じた。5月の−3.5%に比べ伸び率は6ポイントもの大きな反発を示し、最も楽観な予測をも上回る結果になった。
 
 6月下旬の発電量の伸び率が大幅にアップした主な原因は猛暑が続いたこと。中国北部の大部分は35度以上の猛暑に見舞われ、平均発電量は日々うなぎのぼりとなった。6月25日には、華北、華中、山東、新疆等の10地区で電力使用負荷が過去最高を記録した。また、東部沿海地区の発電量はすべてプラスに転じ、江蘇、上海、浙江、広西では伸び率が10%を上回った。

 河北省南部や河南省などのエネルギー多消費地区も6月下旬の発電量の伸び率は二桁台に上っているが、これは猛暑に加えて、鉄鋼や非鉄金属の生産回復も一因になっている。

 電力使用量の伸びを押し上げマイナスをプラスに転じた原因には、猛暑のみならず景気回復もあると見られる。6月は一般に工業生産の盛んな時期であり、空調の負荷以外に、工業用電力負荷が発電量に寄与したことは否定できない。アナリストは、5月以降の鉄鋼及び電解アルミ生産量の上昇やセメント生産の回復に伴い、発電量の前月比の減少率がに縮小し、発電量は通年では2.7%のプラスになると予想している。

 しかし、エネルギー多消費地区10省の6月の発電量を見ると、河北省南部や河南省、雲南省ではプラスに転じたものの、その他の地区は依然マイナスであり、エネルギー多消費地区全体の発電量は前年同期を下回っている。

 猛暑はあくまで発電量を押し上げる季節的要因に過ぎず、こうした要因を除外すると、経済回復が発電量の伸びを大きく支えているのかどうかについては、貿易、輸出、電力使用構造等のデータによってさらに証拠付けることが必要である。

 (中国証券報 7月3日)