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中国「再生可能エネルギー法」修正案が全人代に提出 開発基金開設で助成制度と電力全量買取制度完備 (09/08/25)
2009/8/26
中国【新エネルギー】

 24日、「再生可能エネルギー法」修正案が全人代常務委員会に提出された。

 今回の修正案のポイントの1つは、国による再生可能エネルギー開発基金の開設。同基金は、国からの専門予算と再生可能エネルギー電力価格賦課金を財源とし、再生可能エネルギー開発、利用や系統連系の技術研究、関連基準の制定、モデル事業、農村・遊牧地区の生活用再生可能エネルギー利用プロジェクト、辺境地区や島嶼における独立型再生可能エネルギー電力系統の建設、再生可能エネルギー資源探査や情報システムの整備、再生可能エネルギー関連設備の現地生産などに当てられる。こうした基金を設けることは、政府にとって重要な経済調整手段であり、海外の多くの国においても、再生可能エネルギーの速やかな開発を進める上で効果的な手法として採用されている。なお、2007年以降、再生可能エネルギー発電に対する助成措置として賦課金制度が実施されていた。これは、農業用以外の電力の販売1kWhにつき0.002元の賦課金を徴収するものであり(2009年は合計45億元の見通し)、同賦課金によって、風力発電、バイオマス発電、太陽光発電など300件のプロジェクトが助成された。しかし、電気料金制度が不明朗であり、地方の政策も一様でなかったため、再生可能エネルギーの種類別系統連系価格など関係する価格や、具体的な管理制度の制定が求められるようになった。

 今回の再生可能エネルギー法修正案のもう1つのポイントは、再生可能エネルギー発電による電力の全量買取制度である。現行の再生可能エネルギー法においても全量買取制度が規定されてはいるが、発電企業と電力系統企業の協議によって解決を図るとされており、両者の利益関係と責任関係は不明確であり、電力系統企業に対する有効な統制手段や買取指標の要件を欠き、全量買取の規定を実現することは困難であった。今回の修正案では、国の関係部局が再生可能エネルギー発電による電力の年間買取指標と実施計画を制定することが規定され、電力系統企業の最低限の買取指標が決められることになる。これにより、電力系統企業は最低限の指標を上回る再生可能エネルギー発電の系統連系電力買取を義務付けられる。

 その他にも、東北、内蒙古や西北などにおいて風力発電プロジェクトが、電力負荷の中心から遠く、電力系統の整備が遅れ、送電が難しい地域に建設されていることや、系統連系の条件に整っていない地区において再生可能エネルギー発電の盲目的な拡大が進められていることが問題化しており、このような矛盾を避けるため、再生可能エネルギー開発計画は、電力系統整備計画と合わせて総合的に立案することが求められる。

 (第一財経日報 8月25日)