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中国
【新エネルギー】

吉林燃料エタノール公司の甘コーリャン廃棄物によるエタノールプロジェクトがスタート (07/10/10)
2007/11/22
中国【新エネルギー】

吉林燃料エタノール公司の、甘コーリャン廃棄物を原料とする年産3,000トンのエタノールモデルプロジェクトが江蘇省塩城地区の東台市でスタートした。

 国内初の大型エタノール燃料生産拠点である吉林燃料エタノール公司は目下原料の多元化を進めており、産学共同研究を加速させ、様々な方面との交流や分析を重ねた上で、甘コーリャンの茎を原料とするエタノール生産を「非穀物系」エタノール燃料の発展方向の1つに確定した。耕地を占用しない、食糧を消費しない、生態環境を破壊しないことを原則とする「非穀物系」エタノール燃料生産路線が堅持されている。

 甘コーリャンは一般のコーリャンの変種であり、その茎には糖分、デンプンや繊維質が主に含まれている。甘コーリャンの茎に含まれる豊かな糖分を活用してエタノールを生産するとともに、廃棄物の総合利用を進めて、より高い付加価値を生み出すのである。甘コーリャンの豆は食用や酒造の原料に利用でき、葉はタンパクを含んでいるので飼料や土壌の改良に有用である。茎の繊維質は製紙や飼料に利用できる。加工と総合利用によって基本的に廃棄物を出すことなく、良性の循環を形成することが可能になる。

 吉林燃料エタノール公司の今回のプロジェクトは投資額6,500万元、年末には完成する予定である。甘コーリャンを原料とするエタノール燃料製造プロジェクトの実施により、中国のバイオマスエネルギーの新たな道が切り開かれるのみならず、現地の農民の増収や農業経済の発展が促進されるだろう。

 なお、中国のエタノール燃料の主要原料は、当面はトウモロコシ等の穀物系であるが、エタノールガソリン等の産業の急成長に伴い、一部地区で精製能力が急拡大して、原料の不足を招くようになり、そのため、国家発展改革委員会は食糧の安全保障の見地からトウモロコシを主要原料とするエタノール燃料事業を制限し始めた。今後は非穀物系エタノールの発展が期待される。

 (中国石油新聞中心 10月10日)