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中国
【新エネルギー】

中国のバイオエネルギー発展によって水資源の不足を招くことはない (07/10/15)
2007/11/22
中国【新エネルギー】

 スリランカに本部がある国際水資源管理研究所は11日、中国はバイオエネルギーの発展に力を入れており、そのため水資源の不足が深刻化するとした研究レポートを発表した。同レポートは、中国はバイオエネルギーの精製のためにはより多くの穀物を栽培しなければならず、そのため食糧と飼料の供給に影響が及ぶと指摘し、中国やインドのような国はセルロース系エタノールを生産したり、荒地や旱魃地区でも生長できる品種を栽培したりするよう推奨している。

 しかし、中国生物技術発展センターの王宏広主任はこれに対し、中国はすでに相応の解決方法を見出しており、中国のバイオエネルギーの発展によって水資源、土地資源や食糧の供給に危害が及ぶことはないと反論している。

 国家発展改革委員会(NDRC)工業司の熊必琳副司長によると、中国政府は5月にトウモロコシによる新規バイオエタノール精製事業を禁止し、甘コーリャン、サツマイモ、キャッサバ等の原料への転換を進めている。既存のトウモロコシを原料したバイオエタノール事業も、今後5年以内に原料はすべて甘コーリャン、サツマイモ、キャッサバに改められる。

 農業部企画設計院エネルギー環境研究所の趙立新所長によると、甘コーリャン、サツマイモ、キャッサバの生長過程に必要な水量はトウモロコシの3分の1かせいぜい半分に過ぎない。しかも、サツマイモやキャッサバは雨水の十分な南方地区で生長するので水資源不足を心配する必要がなく、しかもこれらの作物は荒地でも生長し、旱害にも強い。

 なお、9月に発表された「再生可能エネルギー中長期発展計画」によると、中国は2020年には2002年の4倍に当たる1,000万トンのバイオエタノールと200万トンのバイオディーゼルを生産するよう計画している。

 (科学与発展網 10月15日)