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【電力】

スマートグリッド技術標準発表で機先を制した国家電網 (10/07/05)
2010/7/6
中国【電力】

 中国国家電網公司はスマートグリッド技術標準を発表した。中国には未だスマートグリッドの国家標準がなく、国家電網は国家標準の起草者になるとの意思を示した形になる。国家電網は2010年に2,500億元の投資を計画しているが、その10%弱をスマートグリッドに投入し、モデルプロジェクトの実施に当てる。

 《スマートグリッド技術標準体系計画》は中国初のスマートグリッド技術標準体系であり、8つの専門分野、26の技術分野、92の標準系列が盛り込まれている。国家電網公司スマートグリッド部の王益民主任によると、国家電網は国家標準の起草機関になることを希望しており、国家標準化管理委員会も各方面の希望や意見に配慮している。王益民主任は、国家電網の動きは他を先んじており、国家標準も近いうちに制定されると言う。なぜなら、標準化が遅れれば、それだけ代償が大きくなるからである。

 スマートグリッド標準の設計は本来国の関係部局が行うべきものであるが、一電力系統企業が主導した技術標準がいち早く発表された。国家電網の標準は未だ国家標準になっていないものの、同公司の実力をもってすれば、国家標準制定の方向性に影響を与えるだけでなく、その他の多くの企業、特に電力関係の民営企業に対する参入制限を設けることもあり得る。

 同じように、標準は設備の供給問題にも波及する。現在、国家電網の傘下に設備メーカーが3社あるが、マーケットは国家電網の制定するスマートグリッド技術標準がこの3社にとって有利なものに傾く可能性があると予想している。自ら損をするようなスマートグリッド標準を電力系統公司が制定するはずがないことは自明の理である。

 (中国経営網 7月5日)