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中国
【原子力】

国務院、「原子力発電中長期発展計画」を承認 (2007/11/02)
2007/11/2
中国【原子力】

 国務院は先日、国家発展改革委員会(NDRC)が起草した「原子力発電中長期発展計画」 を承認した。

 同「計画」は、原子力発電を安全でクリーンで確実なエネルギーであるとし、エネルギーセキュリティの確保、石炭を中心とする従来のエネルギー構造の転換とエネルギーの多元化や大気環境の改善に寄与すると位置づけ、原子力発電設備の製造水準を高めることによって、関連する技術や産業への大きな波及効果を生み、科学技術の進歩を促進するとしている。

 同「計画」は、2020年までの目標として、東部沿海6省に原子力発電所2,300万kWを新たに建設して、現在運転中及び建設中の1,696.8万kWと合わせ原子力発電設備容量を合計4,000万kWとし、総発電設備容量に占める比率を現在の2%から4%に高めることを掲げている。発電量は年間2,600〜2,800億kWhとなる。

 中国の原子力発電の技術路線については、1983年に加圧水型炉(PWR・目下世界の原子炉の60%を占める)路線が確定されていたが、今後の技術路線について、同「計画」は、30年以上にわたって30万kW、60万kWと段階的に育成してきた技術を基盤に、今後は新世代100万kWクラスの加圧水型炉を建設し、さらに高温ガス冷却炉や高速中性子増殖炉の開発を進めるとしている。また、設備の製造、発電所の設計から建設、運営管理に到るまで、海外先進技術を吸収、消化した上で国産化、自主化を進め、中国ブランドの原子力発電所建設能力を育成する目標を掲げている。

 原料の調達については、国内生産、海外資源開発、国際ウラン貿易の3つのルートを考慮するとし、また、放射性廃棄物処理に関しては、2020年までに最終処理実験室を設け、最終処理場計画案を完成するとしている。

 (国家発展改革委員会能源局ウェブサイト 11月2日)