1. HOME
  2. 中国 【省エネ・環境】

中国
【省エネ・環境】

中国海洋石油に2,000億元海洋開発計画の安全性を問う (11/07/07)
2011/7/14
中国【省エネ・環境】

 原油流出事故が国家海洋局に通報されてから1ヵ月後に市民はようやく渤海蓬莱19−3油田の原油流出事故を知ったが、当事者である中国海洋石油(CNOOC)の態度には解しがたいものがある。中国海洋石油には問いかけるべき問題がある。

 ● 中国海洋石油は上場企業として情報開示が十分か
 
 6月21日、某ブログが最初に原油流出事故を暴露し、ネチズンやメディアの関心を引いた。しかし、事故発生から半月経っても、CNOOCからの回答は得られなかった。CNOOCが事故を隠蔽しているのかという問題について、中国海洋石油有限公司(CNOOC Ltd.)投資家関係部の蒋永智部長は中央テレビの取材を受けた際に、CNOOCは重大な原油流出事故を隠蔽したことはないと表明した。確かにCNOOCは流出事故を関係政府部局に報告した。しかし、このような事故は市民にも知らせるべきではないのか。上場企業としてCNOOCは情報開示の義務を直ちに履行したと言えるのか。CNOOCの関係者は、CNOOCはオペレーターではなく、事故の大小や深刻さはオペレーターが判断するものであり、CNOOCはオペレーターの処理に協力するだけであると表明している。中国の《上場公司情報開示管理弁法》第30条は、「上場公司の証券及びその派生商品の取引価格に対して比較的大きな影響を及ぼす重大事件が発生し、投資家が未だ知り得ない場合、上場公司は直ちに開示して、事件の原因、当面の状況や可能性のある影響について説明しなければならない」と規定している。当然ながら、今回の事故が純益544億元に上るCNOOCの業績に何ら影響は及ぼさないだろう。しかし、158平方キロの生態系が汚染された事故を投資家に知らせるべきかどうかは、CNOOCの情報公開レベルの格好の試金石になる。

 ● 中国海洋石油は中央企業として社会責任を尽くしているのか
 
国有資産監督管理委員会は2007年12月、《中央企業の社会責任履行に関する指導意見》を通達した。中央企業であるCNOOCも定期的に企業社会責任報告(CSR)を発表し、「我が社の石油がもし流出すれば、海洋の生態系に深刻な破壊をもたらす。CNOOCは海上で石油を生産する唯一の中国企業であり、それゆえ、CNOOCは5,000万元を投じて、区域的な環境保護管理施設を設けた」と強調している。しかし、今のところ、この言葉は美辞麗句に過ぎない。中国は海域汚染事故に対して、《刑法》《環境保護法》《海洋環境保護法》に関連規定を設けている。国家海洋局は、関連法規に従ってコノコフィリップスが今回の原油流出事故のすべての責任を負い、CNOOCは責任を負わないと考えている。しかし、それは法律レベルの事に過ぎない。実際には51%の株式を有するCNOOCは責任を逃れられない。蓬莱原油流出事故が突きつけているのは中央企業の社会責任である。

 ● 2,000億元の海洋開発計画は安全なのか
 
 2008年にCNOOCは2,000億元の海洋開発計画を発表した。向こう10〜20年間に南シナ海に2,000億元を投じて、海上の「大慶油田」を創造しようというものである。CNOOCは海外企業との提携による海洋石油開発の独占経営権を付与され、大量の海洋資源を掌握した。しかし、CNOOCは国際入札によって外資を導入する形でしか開発できない。今回の事故は警鐘になる。もし2,000億元の海洋開発計画が同じ方式で進められるのなら、それは果たして安全なのかと問う必要がある。さらに、今回の原油流出事故発生後、とりわけCNOOCの態度は市民を大きく失望させた。高速鉄道と同じように、市民はCNOOCに対し2,000億元の海洋開発計画は安全なのかを問いただす権利がある。

 もし開発業者が見境なく利益を追求し、市民の利益や社会の利益からの厳しい拘束を受けないとすれば、その種の開発によって市民の受ける被害はますます大きくなる。特に渤海湾油田の開発過程では環境保護の原則を厳格に遵守しなければならない。一般企業であれ、中央企業であれ、環境保護こそが最大の社会責任である。

 (証券日報 7月7日)