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中国
【原子力】

国務院が原子力発電所建設再開にゴーサインか (12/06/01)
2012/6/1
中国【原子力】

 5月31日、国務院常務会議は全国民用原子力施設総合安全検査状況報告を聴取した上で、《原子力安全規画》を議決した。今後の中国の原子力安全規画総合目標は次のようになる。原子力施設と原子力技術利用装置の安全水準をさらに高め、放射線が環境の安全に及ぼすリスクを顕著に引き下げ、総合的な事故防止、汚染管理、科学技術イノベーション、緊急対応並びに安全監督管理の能力を基本的に形成し、原子力の安全、環境の安全並びに公衆の健康を保障する。原子力発電の安全は国際先進水準を維持し、原子力の安全と放射線防止水準を全面的に高め、良好な放射線環境を維持する。

 なお、原子力発電産業の2本の規画、すなわち、《2020年原子力発電中長期発展規画》と《原子力発電安全規画》の承認申請作業もすでに完了しているとのことである。

 原子力発電企業筋によると、国務院常務会議は午前中に《原子力安全規画》を審議したが、目下中国の原子力発電所は安全状態にあるとのこと。中国の原子力発電事業の許認可が遠からず再開される見通しであり、早ければ上半期にも再開される。現在中国の運転中及び建設中の原子力発電規模は4,000万kWに達しており、これは国家発展改革委員会が2007年に公布した《国家原子力発電発展専門規画(2005〜2020年)》において設定された2020年の目標に近いので、今回国家能源局が中心になって策定した《2020年原子力発電中長期発展規画》では将来の設備目標が修正されることになる。

 業界内では将来の原子力発電設備をどの程度増やすのかについては異論が多いが、2020年には中国の原子力発電設備が7,000万kW前後に達するというのが市場関係者の大方の予想である。2011年の日本の放射能漏れ事故以降、中国は原子力発電所の全面検査を始動するとともに、新規原子力発電事業の許認可を厳格化し、そのため原子力発電設備企業の新規受注が急減し、国内受注がゼロになった企業もある。アナリストによると、今後原子力発電事業の許認可再開により、中国の原子力発電市場の規模は数兆元に達する。

 (上海証券報 6月1日)