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【電力】

国家電網社長「クリーン・エネルギー発展にとって特高圧送電網が必要」(12/11/20)
2012/11/26
中国【電力】

 国家電網公司の劉振亜総経理(社長)は、中国はすでに特高圧送電網の大規模な建設条件を備えており、「石炭を空中に走らせ電力を全国に送る」ことを実現して、中国の経済と社会の発展を長らく制約してきた石炭・電力・輸送量の逼迫という不治の病を緩和することが出来ると表明した。劉総経理は次のように述べた。

 特高圧送電技術が中国の経済と社会の発展にとって必要である所以は、この技術が、長い送電距離、大きい容量、低い送電ロス、高い効率という特長を備えているからであり、超高圧等の他の電圧クラスでは実現できない。特高圧の発展は中国の経済と社会の発展に伴う電力増加の必要性によるものである。2020年には中国の電力使用量はさらに倍増するが、周知のごとく、中国のエネルギー資源が主に北部と西北部に分布しているのに対し、電力使用量が最も大きいのは東南部である。そのため、エネルギー資源を現地において電力に転換して、遠距離送電を行い、全国範囲において最適配置を進めることが求められる。特高圧の発展が必要になる理由も正にその点にある。

 特高圧はクリーン・エネルギーを発展させる上でも必要である。中国のクリーン・エネルギーは主に風力と太陽エネルギーであるが、これも中国の北部と西部に集中しているが、これら地区は経済発展が十分でなく、電力使用量が少ない。クリーン・エネルギーは数千キロの遠距離輸送によって東部に送ることが必要である。技術的開発量の点から言えば、新疆だけでも数億kWの開発が可能である。甘粛省の河西回廊は1億kWの風力発電設備の設置が可能である。ゴビ砂漠はどこでも風力発電やソーラー発電所を建設出来る。同地の資源は無尽蔵であるが、特高圧によって東南部に輸送することが不可欠である。

 特高圧には特高圧交流と特高圧直流があり、中国初の特高圧交流プロジェクトは2009年1月6日に稼動し、特高圧直流プロジェクトは2010年7月8日に稼動した。雷雨、降雨、降雪、凍結、落雷など劣悪な自然条件や各種運転方式による試練を経たが、それぞれ安全運転を続け、成功を示している。電気の性能は良好であり、安全・環境・経済性等の各種指標は設計の基準と要件に達しているかもしくはそれを上回っている。

 特高圧技術はエネルギーと電力事業の科学的発展を実現する。特高圧なくして発展は継続し難い。2000年当時、中国は鉄道輸送力の38.5%を石炭輸送に当てていた。この数年、鉄道事業は急速に発展したが、2011年になっても鉄道輸送力の57.8%をもって石炭を輸送しなければならない。このような発展方式を継続することは難しい。特高圧によって問題を解決することが必要である。

 特高圧技術は中国が完全な自主知財権を有しているのみならず、世界唯一の技術でもある。かつて米国やイタリアもこの分野の研究を進め、ロシア、旧ソ連や日本も実践を進めたことがある。しかし、技術的要因によって成功せず、商業化も実現しなかった。中国も発展過程において大きな困難や抵抗力に直面することは容易に想像できる。社会各界の支持が必要である。

 (新華網 11月20日)