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中国
【原子力】

中国の第四世代原子力発電技術プロジェクトが始動も短期的には原子力発電投資の拡大はない (13/01/06)
2013/1/6
中国【原子力】

 中国の原子力発電産業にようやく凍結解除の兆しが現れた。1月5日、中国の政府系通信社は、中国最大の原子力発電事業となる山東省石島湾高温ガス冷却炉原子力発電所が12月21日に着工されたことを明らかにした。原子力発電内部筋からの情報によると、石島湾の高温ガス冷却炉原子力発電所は技術検証の性格を有するものであり、中国が原子力発電産業への巨額の投資を本格化するわけではない。

 山東省石島湾の高温ガス冷却炉は第四世代原子力発電技術に属し、世界で最も先進的な原子力発電技術である。清華大学が中心になって開発した。高温ガス冷却炉は中国の長期的な重大科技専門プロジェクトにおいて求められていた事業であり、その着工は一定の技術検証としての性格を有する。中国が現在採用しているのは主に第二世代及び第二世代半の原子力発電技術である。そのため、石島湾の建設再開によって中国が原子力発電への投資を拡大すると読み解くことは出来ない。

 「中国政府は第12次5ヵ年規画及び最新の原子力発電開発計画に基づき、原子力発電技術に対して慎重な態度を取っている」と前出の消息筋は言う。「今回の建設が再開された石島湾高温ガス冷却炉は実際の容量が20万kWであり、小型原子炉の範疇に入る。石島湾の長期計画は660万kWであり、私の知るところでは、今後4基のAP1000型第三世代加圧水型炉を次々と追加し、これら4基のユニットによって500万kWの容量を提供する」。 

 石島湾原子力発電事業は華能集団が30億元を投じて建設し、2017年に稼動する「中国最大の原子力発電事業」とされている。もっとも、前出の消息筋によると、いくつかの大型原子力発電事業の長期計画はいずれも似たり寄ったりなので、いわゆる最大の原子力発電事業などというものはない。石島湾原子力発電所の他にも、ロシアの技術を採用する田湾原子力発電所の第3号機と第4号機も2012年12月27日に着工された。

 2011年3月の日本の大地震後、福島原発に漏洩事故が発生し、中国政府は建設中の原子力発電事業をすべて停止した。しかし、2012年10月、中国政府は修正した原子力発電産業規画を公布するとともに原子炉建設事業の許認可を再開すると表明した。

 (中国能源網 1月6日)