中誠信国際信用格付有限責任公司が4月24日に発表した《2014年中国新エネルギー産業信用展望》によると、2014年から2015年にかけて中国の原子力発電設備の稼動がピークを迎え、2年間の新規原子力発電設備は約2,500万kWになる。

　中誠信の上級アナリストの呂修磊氏は、原子力発電は大気汚染物を殆ど排出せず、火力発電に代替する電源として最も現実的であるが、運転の安全要件が高いこと、事業投資規模が大きいこと、工期が長くコアテクノロジーの制約があることなどから、中国の原子力発電が電力供給の中で貢献を果たすには限度があると指摘する。

　先日開かれた国家能源委員会会議は、国際的にも最高の安全基準を採用して安全を確保することを前提に、東部沿海地区において新たな原子力発電重点事業の建設を適時始動すると表明した。「今後2年間、原子力発電事業の許認可が再開され、中国の原子力発電設備容量が大幅に引き上げられる」と呂修磊氏は言う。

　中誠信の統計によると、2013年末時点の中国の運転中の原子力発電設備は1,483.6万kWであるが、第12次5ヵ年規画期末の運転中の原子力発電設備を4,000万kWとし建設中を1,800万kWとする目標に向け、原子力発電事業の建設、稼動が集中することになる。そのため、今後2年間、原子力発電投資が急速に伸びる公算である。但し、第12次5ヵ年規画期中に内陸部の原子力発電事業が再開される可能性は極めて低い。

　（新華社 4月28日）