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米中気候変動作業部会がスマートグリッド協力事業4件のタイムスケジュールを確定 (14/07/14)
2014/7/16
中国【電力】

 7月10日の中国政府網によると、米中気候変動作業部会は9日、第6回米中戦略経済対話元首代表に報告書を提出した。同報告書は5つの協力イニシアチブ、政策対話の強化及びハイドロフルオロカーボンをめぐる協力の進展状況について総括するとともに、将来的に可能性のある新たな協力分野を提示している。

 米中気候変動作業部会は2013年4月に設けられ、同年7月には政策対話の強化と5つの協力イニシアチブを始動した。5つの協力イニシアチブとは、大型トラックとその他自動車の排出削減、スマートグリッド、炭素回収貯留(CCUS)、建築並びに工業エネルギー効率、温室効果ガスデータの収集と管理である。

 作業部会の報告書は5つの協力イニシアチブが重要な進展を遂げたと総括している。大型トラックとその他自動車の排出削減に関しては、米中両国は大型トラックとその他自動車の燃油効率基準の引き上げ、クリーン燃料と自動車排出制御技術の採用や効率的でクリーンな貨物輸送の3つの分野で幅広い協力を展開した。米国は中型及び大型トラック開発のため2018年以降の新たな温室効果ガス排出規格と燃料経済性規格を2016年までに完成する計画である。一方、中国は大型トラックと軽自動車の開発のため2020年以降の新たな燃油効率標準を2016年までに完成させる計画である。

 送電インフラにおけるスマートグリッド技術とクリーン・分散型発電の統合は、米中両国が炭素排出を抑制する上で有力な方途になる。同報告書によると、米中両国はスマートグリッド協力の面ですでに4件の共同実証事業を展開し、完成に向けタイムスケジュールも確定している。また、CCUSについては、すでに大型CCUS発電所実証事業の運転と開発が進められている。この技術を運用することによって、化石エネルギー発電所を減らし、また、石炭火力発電所やその他のエネルギー施設の二酸化炭素排出を減らす上で重要な戦略になる。

 また、同報告書は、両国が建築と工業のエネルギー効率向上や温室効果ガス情報管理の面でも成果を上げたとしている。

 次の段階における作業部会の行動計画について、報告書は林業協力イニシアチブの追加や、ボイラーの効率向上及び燃料転換についての研究の展開を挙げている。石炭焚ボイラーをガスボイラーに改修することは中国の石炭消費と関連する排出を顕著に減らす上で方途の一つになる。米中両国の官僚は工業用スチームと加熱システムの燃料転換のコスト、収益や技術的可能性について分析する計画である。作業部会は「グリーン港湾」などその他の二国間協力分野を模索すること、省、州、都市などの準国家レベルにおいて気候関連政策及び事業をめぐって適当な協力を展開することや、非道路移動機械及び付属のディーゼルエンジンのクリーン化行動計画を策定、実施することについても同意した。

 (中電新聞網 7月14日)