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中国
【新エネルギー】

中国のバイオマス発電所がわすか1年で10件に (08/01/10)
2008/1/10
中国【新エネルギー】

 2007年末の時点で、中国ではすでに10件のバイオマス発電所が運転中であり、電力網にも連携している。

 中国のバイオマスエネルギーの開発と利用は、龍基電力公司が2004年にデンマークから先進バイオマス発電技術を導入したのが皮切りである。龍基電力公司が技術を提供し、国能生物発電公司が投資してバイオマス発電所の建設を進め、2006年12月には中国初のバイオマス発電所である山東省單県バイオマス発電所が完成し、それ以来、山東省の高唐、墾利,河北省の威県、成安,江蘇省の射陽,黒龍江省の望奎,吉林省の遼源,河南省の浚県、鹿邑でバイオマス発電所が次々に完成した。2007年末までのわずか1年間で合計10件のバイオマス発電所が完成したことになる。

 バイオマス発電は二酸化炭素の排出がゼロであり、世界各国から期待を寄せられている。バイオマス発電は中国で急速に発展し、新たな省エネ・排出削減の道を開いている。山東省單県バイオマス発電所を例に取ると、設備容量2.5万kW、年間20万トン近いソフトバイオマスを消化しており、年間発電量は1.6億kWh、生産高1億元余りになる。同等規模の石炭火力発電所と比較すると、1年間で9万tceの標準炭を節約し、二酸化炭素の排出を10万トン余り削減することが出来る。10件のバイオマス発電所の設備容量は合計25万kWになり、1年間で16億kWh以上の発電が可能である。標準炭90万トン余りを節約し、二酸化炭素を100万トン余り削減出来る。

 バイオマス発電は農民の増収にもつながる。單県バイオマス発電所が完成して以来、1,000人余りの直接及び間接雇用が増えた。周辺の農村は発電所にソフトバイオマスを売り、1年間で約5,000万元の増収となる。また、草木灰8,000万トンを肥料にすることも出来る。

 農民の生活用エネルギーとしてソフトバイオマスを燃焼した場合、効率はわずか15%に過ぎない。しかし、バイオマス発電に用いると熱効率は90%以上に高まる。大量に廃棄されるソフトバイオマスを利用して発電すれば、資源を節約出来るだけでなく、環境保護も可能になる。

 (中国石化新聞網 1月10日)