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国際エネルギー機関(IEA)は《石炭火力発電所総合高度化改修による排出削減:中国のノウハウ》と題するレポートを発表した。同レポートは、中国の石炭火力発電所2基を事例に、総合高度化改修によって効率とCO2排出削減量を高めることを試算によって示すともに、中国のノウハウを広げることで世界の石炭火力発電所の効率を改善することができるとも指摘している。
IEAと中国国家能源局が今回のプロジェクトを行ったのは、中国の2ヵ所の石炭火力発電所の効率を評価し、省エネ目標を実現する事例を提供して、今後の改良の範囲を確定するとともに、石炭火力発電を行っている他の国々との間でも研究成果を共有することが目的である。
2ヵ所の石炭火力発電所は中国の山東省と吉林省に所在する。選定された300MWユニット2基、a3とb4はいずれも運転開始から10年以上になる。
この2つの石炭火力発電ユニットa3とb4の評価結果によって、省エネ効果が良好であり、過去数年間において採られた改良措置によってCO2排出削減の面でもポジティブな役割を果たしていることが示された。換言すれば、これらの措置によって、燃焼性の向上とボイラー効率の最適化を実現したということである。また、蒸気循環の最適化によって省エネを極大化し、グレードの異なるポンプ、発動機、駆動システムや電力供給のグレードアップによって寄生電源の消費を減らした。さらに、運転のノウハウ、手順や保守の面でも最良の実践ノウハウを確定した。
運転の実践と石炭の構成に基づくと、300MWの石炭火力発電設備のCO2排出量は通常最大150万トンになるが、発電所aの発電ユニットa3は改良により、CO2排出を年間25,000トン削減するとともに、さらなる改良によって41,000トン削減することが可能になった。発電所bの発電ユニットb4も改良によってCO2排出を73,000トン削減し、コージェネレーションモデルとも合わせてさらに46,000トン削減することを可能にした。a3ユニットはボイラー運転効率が高いが、蒸気タービンの大検査を要する。逆にb4ユニットは、タービンは良好であるが、ボイラー効率は未だ最適化されていない。したがって、300MWのユニットにつき年間10〜11万トンのCO2削減が可能であり、約6〜7%の削減になる。
(中国科学報 11月18日)