1. HOME
  2. 中国 【電力】

中国
【電力】

政府の価格改革の推進で電力体制改革も加速 (15/10/19)
2015/10/21
中国【電力】

 中国政府上層部は価格改革を強力に推進しており、2017年までに競争的分野並びにプロセスの価格を基本的に自由化することになる。これにより、電力体制改革が加速される見込みである。

 国務院は《価格制度改革の推進に関する若干の意見》を通達した。同意見書は、エネルギー価格の市場化を推進し、「中間プロセスを規制し両端を自由化する」という考え方に基づき、電力や天然ガス等のエネルギー価格改革を推進し、多元的な市場主体による競争を促進するものである。売電価格と非公益性小売電力価格を自由化し、主に市場によってエネルギー価格が決定される仕組みを確立する。2017年までに競争的分野並びにプロセスの価格を基本的に自由化し、政府の公定価格の範囲は、重要公共事業、公益サービス、ネットワーク型自然独占プロセスに限定する。2020年までには市場が価格を決定する仕組みを基本的に完備する。

 政府上層部の価格改革推進によって、電力体制改革も加速が見込まれる。現在、送配電価格改革実験が広がっており、改革の中核になる6つの政策文書も近く公布される。今年から来年にかけて、全国範囲で2〜3省を選定して総合的な実験を展開することになる。実験には、小売側の体制改革、電力価格改革、取引体制改革、発電・電力使用計画の改革など様々な側面が含まれる。2017年にはその範囲がさらに広げられる見通しである。実験過程では、電力事業チェーンの利益再構築が徐々に体現され、市場化過程では体制要因によって制約されていたプロセスが徐々に活力を取り戻すことになる。特に水力発電、小型電力グリッドや大・中型火力発電、地方の大手発電企業が利益を受けることになる。

 現在、電力事業の収益能力は過去最高にある。石炭価格の下落を受けて、収益の高い伸び率が2016年中頃まで維持される見通しである。電力体制改革と国有企業改革によって電力事業全体の好況と拡張の余地がもたらされる。政府の推進の下で改革の早期実現が期待できる。

 (国際電力網 10月19日)