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石炭火力発電所超低排出・省エネ改修実施方案が通達 (15/12/15)
2015/12/18
中国【電力】

 環境保護部、国家発展改革委員会、国家能源局は連名で《石炭火力発電所超低排出・省エネ改修工作全面実施方案》を通達した。同方案は次のような対策を打ち出している。

 2020年までに改修条件を備える全国の全ての石炭火力発電所は超低排出(基準酸素含有量6%という条件の下で煙塵排出濃度10mg/m3以下、二酸化硫黄排出濃度35mg/m3以下、窒素酸化物排出濃度50mg/m3以下)の実現に努める。条件を備える全国の新規火力発電設備は超低排出の基準を満たなければならない。現役の石炭火力発電設備は超低排出改修をスピードアップする。東部地区については、従来2020年までの完了を計画していた超低排出改修任務を2017年に前倒しする。この東部地区に対する要求は全国の条件を備える地区についても徐々に広げる。うち中部地区は2018年までに基本的に改修を完了し、西部地区は2020年までに完了することを目指す。

 全国の新規石炭火力発電事業は原則として60万kW以上の超々臨界設備を採用し、発電用石炭の平均消費量を標準炭換算で300g/kWh以下とする。また、2020年には現役火力発電設備の改修後の発電用石炭平均消費量を310g/kWh以下とする。

重点任務は次のようになる。条件を備える石炭火力発電設備の超低排出改修については、2020年までに5.8億kWの改修を完了する。改修の条件を備えない設備については排出基準を満たす対策を講じ、設備改修の容量を約1.1億kWとする。老朽化設備と関連基準に適合しない設備は撤去し、第13次5ヵ年規画期に撤去する老朽化火力発電設備の規模を2,000万kW超とする。省エネ改修と超低排出改修を統一的に計画し、2016〜2020年に全国で3.4億kWの省エネ改修を実施する。

 政策措置の面では電力価格補助金政策を実施する。2016年1月1日以前に系統連系を行っている現役設備については売電量1kWhにつき0.01元(税込)を加算する。2016年1月1日以降に系統連系を行った新規建設の設備については0.005元(税込)を加算する。超低排出設備の発電利用時間数を適度に増やし、原則として200時間前後増やすよう奨励する。各地方に対し、汚染排出費の課金基準を引き上げる(二酸化硫黄と窒素酸化物は単位排出量当たり1.2元以上とする)よう督励する。汚染物排出濃度が国又は地方が規定する汚染物排出上限値を50%以上下回る場合は、汚染排出費を半減する措置を実施して、企業の超低排出改修強化にインセンティブを与える。

 (中化新網 12月15日)