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【新エネルギー】

中国の風力発電機メーカーは「一帯一路」を追い風に海外進出を実現せよ (16/03/09)
2016/3/9
中国【新エネルギー】

 現在は経済転換期であり、電力消費の低迷は風力発電にも影響している。また、電力網の受入能力が限定的であることは、風力発電機メーカーの生産能力が十分に発揮できない要因の一つになっており、国内の風力発電開発は制約を受けている。

 風力発電資源が大きい新疆、甘粛、吉林、黒龍江の風力発電利用時間数はいずれも2,000時間を下回り、電力機会損失率が39%に達する例もある。こうした点を勘案して、全人代代表であり東方汽輪機有限公司風力発電事業部の副主任工程師でもある趙萍氏は「風力発電設備産業にとっては『走出去』(対外進出)が当面の生き残りと発展の必然の道になる」と指摘する。

 統計によると、2015年時点の中国の風力発電累計設備容量は1.4億kW、2015年の新規設備容量は3,050万kWで、累計設備、新規設備ともに世界一である。その中で中国の風力発電機メーカーが新規設備の95%以上のシェアを占めている。中国には規模が比較的大きく研究・開発・製造能力の高い風力発電設備メーカー10数社と膨大な数の部品メーカーが形成されている。

 中国の風力発電機メーカーは陸上風力発電機の技術開発、試験能力、設備効率や設備の信頼性といった面ですでに海外のトップメーカーに近づいており、高原・山地や低風速地などの風力発電設備では海外をリードしている面もある。しかしながら、中国のメーカーは海外の先端メーカーと比べると、設備の技術水準、電力網への適応性、環境保護技術等の面では依然一定の格差がある。

 趙萍氏は、国内市場の低迷と熾烈な競争のため、条件を備える風力発電設備メーカーの「走出去」を「一帯一路」によって奨励し、技術、営業、製造、保守サービス等の面でメーカーの国際化経営のレベルを向上させ、もって中国の風力発電ブランドの国際知名度と海外市場シェアを高めるべきであると主張する。

 趙萍氏は、企業を主体とし政府が推進し市場が誘導し法に基づいて進めるという考え方に従って、企業が「一帯一路」の市場に打って出ることを建言する。

 第1に、業界団体が「一帯一路」対象国の風力発電協会や関係政府部門と連携し、関係国の基本状況や風力発電開発計画、風力発電設備導入に関する法規や手続き等について理解を深め、地区別の状況を分析し、関連文書を取りまとめる。また、「一帯一路」沿線諸国において風力発電事業発展に関するシンポジウムを開催し、対象国に関連情報の提供を要請して、企業の実施の参考に供するとともに、風力発電機メーカーの「走出去」コスト引き下げを模索する。

 第2に政府は風力発電の「走出去」に関連する政策や施策を策定し、風力発電の技術、製品、生産能力の「走出去」を有効に推進できるよう、産業界にサービスを提供する。

 第3に中国の認証機関が速やかに外国の資格を取得できるようにする。風力発電の運転には認証を取得することが必要である。中国の風力発電製品は国内の認証を取得しているが、輸出に当たっては国際認証が必要になる。中国風力発電産業の「走出去」を進めるには、中国の認証機関が外国の認証機関と交渉を進め、国内の認証を取得済みの場合は外国の認証取得を簡略化できるようする。また、中国の認証機関は認証水準を高め、中国の認証資格が外国でも認可されるようにしなければならない。

  (中国経済新聞網 3月9日)