1. HOME
  2. 中国 【電力】

中国
【電力】

発展改革委員会と能源局が石炭火力発電過剰設備対策で3件の文書を通達 (16/04/21)
2016/4/21
中国【電力】

 国家発展改革委員会と国家能源局は3件の文書を通達した。《石炭火力発電産業の老朽化生産能力淘汰へのさらなる取り組みに関する通達》《中国石炭火力発電の秩序ある発展の促進に関する通達》《石炭火力発電計画・建設リスク予警報の仕組みの確立及び2019年度石炭火力発電計画・建設リスク予警報の発表に関する通達》の3件である。

 努爾・白克力(Nur Bekri)国家能源局長は4月21日のテレビ電話会議において、次のように指摘した。近年、中国の石炭火力発電設備規模が急速に増加し、石炭火力発電の生産能力過剰リスクが徐々に顕在化しつつある。今年の新規設備の規模は5,000万kWを超えると予想される。こうした拡大傾向が続けば、今後数年間で中国の石炭火力発電産業は現在の鉄鋼や石炭と同じ状況になる。

 今回3件の文書を通達したことは、能源局が石炭火力発電産業の生産能力の厳重な規制に向けて総合的な措置を取ることで中国の石炭火力発電の秩序ある発展を確保する意思を示している。

 《石炭火力発電産業の老朽化生産能力淘汰へのさらなる取り組みに関する通達》は石炭火力発電の老朽化生産能力に対する淘汰の基準を設定し、各地方に対し、余剰人員の適正な再配置を前提に第13次5ヵ年計画期の淘汰計画を策定、実施するよう求めている。

 《中国石炭火力発電の秩序ある発展の促進に関する通達》は、石炭火力発電計画・建設リスク予警報の仕組みの確立、石炭火力発電総量規模及び各地方の新規建設規模の厳重な規制を義務付けており、電力に余剰がある省や大気汚染防止重点エリアにおいては新規石炭火力発電計画・建設を部署を行なわず、電力不足の省においても非化石エネルギー発電事業を優先すべきとしている。また、必要に応じて石炭電力基地の建設を推進するとしている。

 《石炭火力発電計画・建設リスク予警報の仕組みの確立及び2019年度石炭火力発電計画・建設リスク予警報の発表に関する通達》は、石炭火力発電計画・建設リスク予警報の指標を各省・自治区・直轄市の石炭火力発電の計画と建設に適用するとしている。リスク予警報は毎年1月に公表する。

 リスク指標は、石炭火力発電建設経済性リスク予警報指標、石炭火力発電設備充足度予警報指標、資源拘束指標に区分し、最終結果は3種の指標の最も高い等級によって確定する。予警報のレベルは高い順にレッド、オレンジ、グリーンの3つの等級に分ける。予警報の目標年度は3年後とする。

 予警報の結果がレッドの場合、地方政府は石炭火力発電事業の許認可を見合わせ、企業は事業の着工を慎重に行なうものとする。オレンジの場合、地方政府と企業は電力需要に応じて石炭火力発電事業の計画と建設を合理的に推進する。

 2019年のリスク予警報の結果は次の通り。

 グリーン : 江西、安徽、海南
 オレンジ : 湖北
 レッド : 黒龍江省、吉林、遼寧省、内蒙古、北京、天津、河北、山東、山西、陝西、甘粛、青海、寧夏、新疆、河南、湖北、湖南、四川、重慶、上海、江蘇、浙江、福建、広東、広西、雲南、貴州

 (中国経済網 4月21日)