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パーム油由来バイオ燃料自動車と森林破壊−EU−(16/6/1)
2016/6/1
その他地域のエネルギー

 ベルギーのブリュッセルを活動拠点とする輸送・環境NGO団体は、EU植物油工業協会(Fediol)の2014年データを引用し、EUで消費されているパーム油の約半分はバイオ燃料として自動車に消費されていると発表した。同データによると、2014年では年間350万kl、単純計算で毎日1万klのパーム油がバイオ燃料として消費されている。2010年から2015年までの間に、EU加盟国全体でのパーム油由来バイオディーゼルの消費量は34%増となった。

 輸送・環境NGO団体の総責任者Jos Dings氏によると、EU加盟国は2009年に、輸送部門に消費されている燃料のうち再生可能エネルギーの比率を2020年までに10%とする法令を施行した。従来では菜種油が主な原料であると思い込まれており、パーム油の利用実態が明らかにされていなかった。最近の研究では、パーム油由来バイオディーゼルは従来のディーゼルよりも3倍以上の温室効果ガスを排出する結果が出ている。その背景はパーム油プランテーションによる森林破壊によってもたらされる温暖化効果ガスの排出量を含めた計算である。

 しかし、FediolのNathalie Lecocq会長は、EUで利用されているすべでのバイオディーゼルは、持続可能な認証を受けたパーム油であると主張し、世界で最も持続可能なバイオ燃料であると批判をかわした。

(Bangkok Post 2016年6月1日)