1. HOME
  2. 中国 【新エネルギー】

中国
【新エネルギー】

中国がバイオマスエネルギー第13次5ヵ年計画を通達 160のバイオ天然ガス実証県を建設へ (16/12/05)
2016/12/5
中国【新エネルギー】

 国家能源局は《バイオマスエネルギー発展第13次5ヵ年計画》を通達した。同計画は、バイオマスエネルギーの分散型開発利用を促進すること、市場規模を拡大すること、産業体系を完備すること、バイオマスエネルギーの専業化、多元化、産業化に向けた発展をスピードアップすることを趣旨としている。

 同計画によると、2020年にはバイオマスエネルギーの商業化と大規模化利用を基本的に実現する。バイオマスエネルギーの年間利用量を約5,800万tce(標準炭換算トン)とし、バイオマス発電設備総容量を1,500万kW、年間発電量を900億kWhとする。設備容量の中で、農林バイオマス直接燃焼発電は700万kW、都市生活ゴミ焼却発電は750万kW、メタン発酵ガス発電は50万kWになる。また、バイオ天然ガス年間利用量は80億m3、バイオ液体燃料年間利用量は600万トン、バイオブリケット燃料の年間利用量は3,000万トンになる。

 同計画が打ち出している発展と建設の重点には、バイオ天然ガスの大規模化の推進に力を入れることも含まれる。2020年には一定規模のグリーン・低炭素型バイオ天然ガス産業を基本的に形成し、年間生産量を80億m3とする。160のバイオ天然ガス実証県と循環農業実証県を建設する。また、バイオブリケット燃料による熱供給を発展させ、バイオマス発電の発展を着実に進めるとともに、バイオ液体燃料の実証と普及を加速し、燃料エタノールの普及を推進する。セルロース系エタノールの発展にも力を入れる。国内の自前の技術力に立脚しつつ、国外の先進的なノウハウの導入、消化、吸収を積極的に進め、バイオ燃料の実証事業の建設を展開する。キャッサバなど非穀物系エタノールの発展を適正に進める。国内外の資源を合理的に利用して、原料供給の多元化を促進する。キャッサバや甘コーリャンの廃棄物など原料資源が豊かな地区を選定し、もしくは限界土地と荒れ地にエネルギー作物を作付けして、10万トン級の燃料エタノールプロジェクトを建設する。穀物系エタノールには総量規制を適用し、食糧の安全、食品の安全、エネルギーの安全を総合的に計画しつつ、腐敗したトウモロコシや毒素基準をオーバーしている小麦、「カドミウム米」を原料に変える。「問題穀物」の集中エリアにおいては穀物系エタノールの生産規模を適度に拡大する。また、交通分野へのバイオディーゼルの応用を加速する。バイオディーゼル事業の高度化改修を進め、製品の質を高め、交通燃料としての品質の要件を満たすようにする。健全なバイオディーゼル製品の標準体系を確立し、地域限定の実証を広げ、交通分野へのバイオディーゼルの応用を推進する。

 同計画は、2020年までのバイオマスエネルギー産業の新規投資を約1,960億元にすることも打ち出している。うちバイオマス発電の新規投資が約400億元、バイオ天然ガスが約1,200億元、バイオブリケット燃料による熱供給事業が約180億元、バイオ液体燃料は約180億元になる。

 (中国能源網 12月5日)