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【電力】

中国 2016年の火力発電設備利用時間数が52年来の最低水準に (17/01/25)
2017/1/25
中国【電力】

 中国電力企業聯合会が1月25日に発表したレポートによると、2016年には一部地区で電力供給能力の過剰がさらに進み、全国の火力発電設備容量の純増加が著しく減少、火力発電設備利用時間数は低下が続き、4,165時間に下がって、1964年以来の最低になった。
 
 中国電力企業聯合会の安洪光副事務局長の説明によると、電力需要の不足や、石炭火力発電の秩序ある発展を促進する政策措置等の影響で、昨年の全国主要電力企業の発電側への投資は前の年に比べ12.9%下がった。うち石炭火力発電投資は4.7%下がり、過去2年間続いていた急増傾向が逆転した。石炭火力発電設備の純増加規模は1,154万kW減少し、構造の最適化が顕現し始めた。

 一方、全国の水力発電投資は前年比22.4%下がり、4年連続のマイナスになった。風力発電投資は25.3%の大幅減になり、過去数年来で初のマイナスになった。原子力発電投資は10.5%下がった。
 
 クリーン・エネルギーの利用の面では、2016年の全国系統連系風力発電の発電電量は30.1%増加したものの、西北や東北地区等の風力発電のチャンスロスは依然際立っている。系統連系ソーラー発電の発電電量は72.0%増加したが、西北地区の一部の省ではチャンスロスが依然深刻である。

 電力消費動向の分析によると、2016年には中国経済の原動力の転換と構造調整も電力に体現された。第三次産業の電力消費量は11.2%増加し、都市農村民生用電力消費量は10.8%増加した。これはサービス業の経済成長牽引効果が突出していることを示すものであり。一方、製造業の4大エネルギー多消費産業の電力消費量は合計すると「ゼロ成長」になった。

 安洪光氏によると、今年も全国の電力消費需要の軟調が続き、電力供給能力は全体的に余裕が生じて、一部地区では相対的に過剰になる。火力発電設備の利用時間数は4,000時間にまで下がり、石炭火力発電企業は厳しい困難とチャレンジに直面する。

 2017年の全社会電力消費量の伸び率は3%前後になると予想される。通年の新規発電設備は約1.1億kWになる。2017年末には発電設備容量は17.5億kWに達し、特に非化石エネルギー発電設備の比重はさらに上昇して38%前後に達する。

 (新華社 1月25日)