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【エネルギー全般・政治経済】

中国の李克強首相の政府工作報告と2017年のエネルギー工作 (17/03/05)
2017/3/5
中国【エネルギー全般・政治経済】

 3月5日、李克強首相は全人代で政府工作報告を行い、2017年の主な発展目標として、国内総生産を前年比6.5%前後増やし、GDP当たりのエネルギー消費3.4%以上を減少することを提示した。そして、エネルギー関連では次のような重点工作を打ち出した。 

  • 2017年に鉄鋼生産能力を5,000万トン/年、石炭生産能力を1.5億トン/年以上削減する。

  • 石炭火力発電設備5,000万kW/年以上の淘汰・建設中止・建設延期を進め、石炭火力発電能力の過剰リスクを防止し、石炭火力発電の効率を引き上げるとともに、クリーンエネルギー発展のスペースを広げる。

  • 環境保護・エネルギー消費原単位・品質・安全などの管理法律・法規・基準を厳格的に実施し、市場化と法律化の手段を運用することによって、ゾンビ企業(僵屍企業)を処理を進め、企業の再編・清算を推進する。

  • 老朽化生産能力と基準未達成の企業を淘汰し、過剰生産能力産業の新規建設を制限する。

  • 2017年に電力・石油・天然ガスなどの国有企業の改革を推進する。電力と石油・天然ガスの体制改革を進め、市場を開放する。

  • 環境改善のため、石炭汚染問題の解決を急ぎ、全面的に石炭の分散燃焼を管理する。北方地域の冬季の暖房は、300万世帯以上を対象に石炭から電力と天然ガスへの転換を完了する。一定規模以上の都市部(中国語では地級市)では石炭焚ボイラーの淘汰を推進する。

  • 東部と中部地域は今年と来年にかけて、石炭火力発電の汚染物の超低排出と省エネルギーに向けた改造を完了し、西部地域は2020年に完了する。

  • 再生可能エネルギー発電の系統連系を優先し、水力発電、風力発電、太陽光発電の電力放棄(チャンスロス)問題については、メカニズムと技術の面から問題を解決する。 

 李克強首相は政府工作報告の中の2016年の工作について回顧した。2016年には「三去一降一補」(過剰生産能力解消・在庫解消・デレバレッジ・コスト引き下げ・不足部分の補完)の取り組みが進み、供給側構造は改善を見た。鉄鋼と石炭産業の過剰生産能力については、6,500万トン/年の鉄鋼生産能力と2.9億トン/年の石炭生産能力を削減し、所定の目標を上回った。また、エネルギー消費に占める石炭のシェアは2ポイント下がり、非化石エネルギー消費のシェアは1.7ポイント上昇した。 

 (2017年政府工作全文 鳳凰資訊 3月5日)