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インドネシア、ロシアのRosatomはインドネシアに別の原子力発電をオファー(17/5/15)
2017/5/15
アジア【電力】

 インドネシア政府は、ロシアの国家原子力会社Rosatom社から新たな原子力開発の提案を受けたことを明らかにした。Rosatom社は、インドネシア海洋担当調整大臣Luhut Pandjaitan氏とエネルギー鉱物資源省副大臣Arcandra Tahar氏を訪問し、トルコで導入される原子力発電所の技術を地震の恐れのないバンカビリトン島とカリマンタン島に導入する案を提示した。

 Rosatom社は、2015年にインドネシアの国家原子力機関(Batan)と原子力技術と経営についてMOUを締結している。今回のLuhut氏とArcandra氏への訪問は、インドネシア国家電力公社PLNが策定した最新の電力調達計画(RUPTL)の中に原子力を電源の選択オプションとして排除していないと明記したことを受けたと思われる。

 PLNのRUPTLによると、2025年までに設定されていた電源構成の中に再生可能エネルギーのシェアが23%に達成できない場合は、原子力は同国にとって最後の選択肢になりえる。

 一方、Luhut氏とArcndra氏は、同国の原子力発電への導入に対しては国民の意識の向上が必要であり、それにはさらなる時間を要するため、国内の電力需要の急増に対応するために原子力発電が本当に必要であるかどうかを政府は再検討する必要があると述べている。また、Rosatom社の提案は電力需要の伸びが最も高かったジャワ―バリを含まれていない。PLNによると、ジャワ―バリ地域の電力需要は、現在の174 TWhから2026年の326.6 TWhに拡大する予定で、同年カリマンタン島の電力需要は僅か23.4 TWhである。

 PLNは、単機30万kWの小型原子力発電技術の導入を模索しており、これは島嶼国にとってより適合するものであると電力調達計画の中で指摘している。しかし、投資資金、放射能廃棄物処理、安全管理など多くの課題を抱えており、これらの課題を乗り越えるにはさらなる研究調査を行わなければならない。

(Jakarta Post 2017年5月15日)