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【エネルギー全般・政治経済】

「インドファースト」Gailのパイプライン建設事業から中国を締め出し (17/06/06)
2017/6/7
アジア【エネルギー全般・政治経済】

 インド政府は政府調達の「インドファースト」政策によって、3,000クローレ(300億ルピー)相当のパイプライン建設事業から中国企業を排除する。

 インドの鉄鋼企業は中国のサプライヤーを制して数百億ドルのビジネスを獲得できるようになる。

 インド国営天然ガス企業Gail Indiaのスポークスマンによると、インド政府は現時点で未だ開始していない入札事業には全て国内企業を優先するとの指針を適用し、今後の入札事業についても全て適用する。

 政府消息筋によると、インド企業優先策は鉄鋼や電力以外の部門にも広がる可能性が高い。インド政府は国際的な取り決めに違反しないことを前提にインド企業を優先するにはどのような方法を取れば良いか検討を進めている。

 Chaudhary Birender Singh鉄鋼相は、中央政府と地方当局及び国営企業の全ての入札事業で50クローレ(5億ルピー)を超えるものは、インド企業の製品の品質や数量が要件に達しないか又はインド企業の価格が国外より15%以上高い場合を除いて、インド企業を優先すると述べた。

 Singh鉄鋼相は、「この新しく斬新なアイデアは(国内の鉄鋼)消費を増やすためのものだ。この指針は今後の入札事業の全てに適用される」と付言した。

 Singh鉄鋼相によると、Gail Indiaは3,000クローレ(300億ルピー)の鋼管を購入する意向であり、差し当たり1,000クローレ(100億ルピー)発注する。

 Singh鉄鋼相は、海外企業のインドへの投資を歓迎すると表明し、「技術移転をしなくとも、誰でもインドに投資して工場を建設するよう誘致する」と述べた。

 今回の動きによって最も大きな衝撃を受けるのは中国になる。中国の官製メディアはインドの電力・石炭・再エネルギー・鉱産相Piyush Goyalが着手した同様のステップを厳しく批判していた。Piyush Goyal大臣は先月、The Economic Timesの取材に対し、インド企業の入札参加を認めない国の企業に対しては将来のインドの事業も開放しないと表明していた。

 (The Economic Times 6月6日)