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【原子力】

中国核電が世界初第4世代原子力発電TWRの推進に全力 ビル・ゲイツと提携し神華集団の資金を引き入れ (17/09/13)
2017/9/13
中国【原子力】

 中国核能電力股份有限公司(中国核電)は神華集団と組んで原子力発電公司を設け、ビル・ゲイツとも提携して、第4世代原子力発電技術で機先を制しようとしている。

 9月12日、中国核電は公告を発表し、天津と河北省滄州に共同出資公司を設ける計画を明らかにした。第4世代原子力発電技術研究の開発と実証事業を運営する。

 中国核電の公告によると、華電副新、浙能電力、神華集団、建投能源との共同出資により、中核河北核電有限公司を設立する。資本金は10億元、中国核電が35%を占め、神華集団が30%、華電副新が15%、浙能電力と建投能源が各10%になる。新公司は河北省滄州市に登記する。

 また、中国核電の全額出資子会社である中核技投も上掲の4社と共同で天津に中核行波堆科技投資(天津)有限公司を設ける。資本金は7.5億元、出資比率は中核河北核電有限公司と同じである。

 国電集団と合併したばかりの神華集団が初めて原子力発電事業に参加することは注目される。神華の両公司の持ち株は30%に達し、中国核電の35%に次ぐ。

 新公司2社は進行波炉(Traveling Wave Reactors:TWR)技術の研究開発と事業化を進める。中核集団のオフィシャルサイトによると、TWRは第4世代原子力技術の要件と安全基準を満たすナトリウム冷却高速炉であり、ウランジルコニウム合金燃料を採用する。燃料交換のサイクルが長く、大量の劣化ウランを使用することが出来る。

 新公司2社の董事会(取締役会)の構成の面でも、中国核電と神華集団が多くを占め、9名の董事の内訳は、中国核電3名、神華2名、その他3社が各1名、従業員董事が1名になる。

 中国の原子力発電はこれまで政府の主導の下で中国広核集団と中国核工業集団がともに発展する市場構造であったが、第13次5ヵ年計画期か以降、中国の原子力発電投資主体は中国広核集団と中国核工業集団を主としつつも、徐々に多元化に向けて発展することになる。

 注目されるのは、天津に設立される共同出資公司とビル・ゲイツが創設したTara Energyが共同で第4世代原子力発電技術になるTWRへの投資開発を進め、第4世代原子力発電技術の商業化を促進することである。

 中国核電は以前からTara Energyと第4世代原子力発電技術をめぐって商談を進めてきた。

 中国核電の公告によると、天津の新公司はTara Energyと共同でTWR技術の研究開発及び事業化と普及を進めることになる。

 但し、中国核電が滄州に建設する海興原子力発電事業は準備段階に進んでいるものの、中国政府が昨年以降、新規原子力発電事業の許認可を停止しているため、未だ着工されていない。

 (中国経済網 9月13日)