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【石油・天然ガス】

露ガスプロムが新しい対中天然ガス供給パイプラインを計画 (18/08/24)
2018/8/24
中国【石油・天然ガス】

 ロシア報道によると、ロシア国営天然ガス会社ガスプロムはサハリンから中国に通じる天然ガスパイプラインの設計に着手している。このパイプラインは「シベリアの力」パイプラインに次ぐ2本目の対中ガス供給パイプラインになる。

 ロシアの《コメルサント》紙は8月23日、中国の天然ガス消費と輸入量は急速に増加し、価格は持続的に上昇しているので、同事業はガスプロムにとっては魅力的であると報じた。

 ガスプロムの社内文書によると、同社は傘下の設計機関に対し、新しい対中天然ガスパイプラインのドラフトを作成するよう求めた。このパイプラインはサハリン−ハバロフスク−ウラジオストクの天然ガスパイプラインの分岐線になる。同文書は、パイプラインの輸送量や長さについては明らかにしていないが、天然ガス計量ステーションの設計や天然ガス処理設備に言及している。

 社内文書によると、ガスプロムは今回、サハリンから東ルートを経由して中国へ天然ガスを供給する計画に向け第一歩を踏み出した。ガスプロムの高官によると、これは、2019年12月に稼動する「シベリアの力」パイプラインに次ぐ事業になる。2017年末、ガスプロムと中国石油天然ガス集団(CNPC)は対中ガス供給の基本条件をめぐって協議書に調印し、年間ガス供給量を80億m3以上にすることにしたが、価格や開始時期は含まれていない。そのため、ガスプロムはサハリン−ハバロフスク−ウラジオストクパイプラインの輸送力を2020年までに200億m3に引き上げるよう計画している。

 但し、業界関係者によると、ガスプロムが設計を発注したからといって、直ちにこの分岐線の建設準備を進めるわけではない。

 もっとも、ガスプロムにとって中国との新たなガス供給契約を結ぶ環境は整っている。中国の天然ガス消費は急速に上昇しており、特にLNGは2018年初頭以来、前年同期比45%増加して、404億m3に達した。価格も上昇しており、プラッツのデータによると、12月に東北地区に供給されたLNG平均価格は12.2ドル/MMBTU又は440ドル/1000m3に達した。ガスプロムにとっては悪くない価格水準である。加えて、ガスプロムはCNPCとの交渉においてパイプラインガスの価格とLNGの価格のリンケージも主張できる。サハリンの天然ガス資源は将来的にLNGの形で輸出するからである。

 (参考消息 8月24日)