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【石油・天然ガス】

空前の危機に陥ったベネズエラが中国に50億ドルの借金申し入れの公算 再び石油と交換か (18/09/14)
2018/9/14
中国【石油・天然ガス】

 空前の経済危機に陥ったベネズエラは、中国が再び救いの手を差し出すことを切望している。

 ベネズエラ大統領が中国を訪問したとの情報は、中国が救いの手を差し伸べるかどうか、メディアの様々な憶測を呼んだ。

 実際、ベネズエラの経済状況は憂慮に堪えない。同国の経済的命脈である石油生産量は低下が続き、過去最低を記録している。国際エネルギー機関(IEA)の予測によると、今年末には現在の生産量から20%以上減って100万B/D以下に下がる。一方、国際通貨基金(IMF)の予測によると、ベネズエラのインフレ率は年内にも1000000%になる。

 苦境にあるベネズエラが中国からの援助を望むのも無理はない。中国とベネズエラの関係は一貫して良好であり、過去10数年にわたり、中国はベネズエラへ500億ドル余りの借款を供与してきた。

 海外メディアの多くは、中国がベネズエラへ再び50億ドルを融資する可能性があるとしている。但し、西側メディアの多くは、これまでの500億ドルの融資が回収不能になることは間違いなく、中国がさらなる融資を行うことは賢明ではないとしている。

 当然ながら中国も理由なく巨額のカネを出すわけではない。2003年以降に高度経済成長で石油需要が激増した中国と、一方、確認石油埋蔵量3,000億バレルで世界第1位にありながら資金が不足していたベネズエラは2010年、協力協定に調印し、中国がベネズエラに資金を提供し、ベネズエラが中国へ石油を輸出することで借入金を償還することになった。これは「石油と融資の交換」と呼ばれる協力モデルである。

 ベネズエラの対中石油輸出量は2007年に10万B/Dであったのが、すでに50万B/Dに達し、中国はベネズエラにとって2番目に大きい輸出先になった。これまでの500億ドルの融資は一部償還されたが、ロイターの試算によると、なお約193億ドルが未返済である。

 設備の老朽化等のため、ベネズエラの石油生産量は目下大幅に下がっており、これに国内経済の不振も重なって、ベネズエラは救いの手を求めている。中国とベネズエラは長年にわたり協力しており、ベネズエラの豊かな石油資源は中国にとっても重要な意義を有する。中国が今回ベネズエラの経済振興を手助けし、ベネズエラの石油生産事業を再び輝かせることになれば、両国にのいずれにとっても良いことである。

 (鳳凰網 9月14日)