1. HOME
  2. 中国 【新エネルギー】

中国
【新エネルギー】

中国が水素エネルギー産業のハイクオリティ発展を総合的に推進へ (18/10/11)
2018/10/11
中国【新エネルギー】

 水素はエネルギー資源問題と環境危機を解決する未来の道筋の1つとして、先進諸国から高い関心を寄せられている。国家能源局省エネ科技装備司の王思強司長は10月11日、「2018中国水素エネルギー及び燃料電池産業サミットフォーラム」において、水素エネルギーは中国がエネルギー革命を模索する上で重要な方向性であり、今後関係政府部門とともに産業環境の創出に取り組み、水素エネルギー産業のハイクオリティの発展を総合的に計画、推進すると表明した。

 近年、中国の水素エネルギー開発熱が高まっており、一部の地方は次々と大規模な水素エネルギー産業発展計画を策定している。水素エネルギー関連技術や設備も急速に発展し、水素の製造、輸送や燃料電池技術が次々とブレークスルーを遂げつつある。燃料電池車事業が雨後の筍のように誕生し、一部自動車企業は小ロットの生産をすでに実現している。

 しかしながら、王思強司長は「中国の水素エネルギー産業の発展においてアンバランスや不十分といった矛盾が依然として大きく突出している」と述べた。王思強司長によると、水素エネルギーと燃料電池の鍵になる技術と設備は発展が遅れ、技術標準及び検査、認証、監督管理システムは不健全である。また、水素エネルギー産業体系とビジネスモデルは未熟であり、水素製造、輸送から利用に到るまでいずれのプロセスも初歩的な段階に止まっている。統一的な計画が欠如し、一部地方の水素エネルギー産業の発展は相対的に無秩序である。

 王思強司長が明らかにしたところでは、こうした問題を念頭に、関係政府部門は中国の水素エネルギー産業発展ロードマップの研究と策定を進め、水素エネルギー発展の戦略的位置づけ、目標や任務を明確にすることになる。同時に一群の実証プロジェクトを設けて、水素エネルギーと再生可能エネルギーの融合、燃料電池による分散型発電、水素蓄エネルギーや燃料電池交通など多元的な応用を推進する。燃料電池等の鍵になる技術と設備のブレークスルーを速やかにすすめ、関連技術標準及び検査、認証、監督管理のシステムを完備する。

 「長期的に見て、水素は炭素排出が大きい工業や電力分野で石炭や天然ガス等の化石燃料に代替することが出来る。特に交通分野では、水素燃料電池は代替燃料やゼロエミッションの面でかけがえのない優位を備えている」と王思強司長は言う。

 さらに、水素エネルギーは中国の風力発電、太陽光発電、水力発電の電力廃棄問題の緩和にも役立つ。王思強司長によると、豊かな再生可能エネルギー電力を利用して水素を製造することで、水素エネルギーを各種の断続性再生可能エネルギーと既存のエネルギー体系の有機的な結合のための接着剤になる。地域と時間帯に跨る種々のエネルギーの最適化配置の実現も期待される。その他にも、水素エネルギーはエネルギー安全保障にとっても重要な潜在的オプションになる。

 (人民網 10月11日)