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【石油・天然ガス】

中国が米国LNGの購入を停止 (18/10/12)
2018/10/12
中国【石油・天然ガス】

 ロシアのスプートニクニュース10月11日電によると、中国は昨年米国から360万トンのLNGを購入したが、今年は米国から中国への輸出が徐々に下がり、1〜8月の輸出量は100万トン足らずであった。米国は9月に300種余りの中国商品に対して25%の追加関税を課した。中国も米国からの輸入商品に対する関税を引き上げ、特に米国のLNGに対して10%の追加関税を課し、その後完全に購入を停止した。

 中国のこうしたやり方によって米国は高い代価を支払わされる公算である。トムソン・ロイターの統計分析によると、第1に、米国の輸出業者は巨額の損失を被っているところである。昨年の中国へのLNG供給による月平均収益は約100億ドルであった。第2に、米国は最も発展の展望が広がっている市場を失いつつある。第3に、米国のLNG生産の戦略計画が打撃を受ける。
 
 一方、エジソン・コンサルティングのアナリストによると、米国から中国へのLNG供給が再開されなければ、ルイジアナ州に建設される年産800万トンのMagnolia LNGのLNG施設は実質的に意味を失う。輸出用に位置づけられている当該事業は米国市場の一部地区に天然ガスの過剰をもたらし、その影響は天然ガス採掘企業の収入に及んで、採掘量の縮小を余儀なくされる。

 Wood Makcenzieの見方によると、中国が米国産LNGの購入を停止することは、中国市場に照準を合わせている米国の競争相手に利することになる。特にロシアのパイプライン事業は真っ先に恩恵を受ける。

 現在、中国は米国の天然ガスの代わりにカタール、サウジアラビア、UAEのLNGを調達しているが、「シベリアの力」天然ガスパイプラインが開通すると、こうした状況にも変化が生じる。なぜなら、ロシアの天然ガス価格の方が魅力的だからである。

 (中国能源網 10月12日)