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【石炭】

中国の石炭消費 第13次5ヵ年計画期後半から低下軌道に (18/11/22)
2018/11/22
中国【石炭】

 11月21日、第5回中国石炭消費総量抑制とエネルギー転換国際シンポジウムが北京で開催された。

 今回のシンポジウムでは主に第13次5ヵ年計画期の石炭抑制対策について中間評価を行うとともに、第13次5ヵ年計画期の石炭抑制目標実現の道筋について展望し、石炭消費をさらに減らしエネルギーの転換を促進するにはどうすれば良いかについて検討を進めた。

 シンポジウムでは「石炭抑制研究プロジェクト」課題研究グループがまとめた『第13次5ヵ年計画石炭抑制の中間評価と後半の展望研究レポート』第一稿が発表された。同レポートによると、2017年の全国の一次エネルギー消費総量に占める石炭の比率は60.4%に下がり、2018年上半期は2017年同期に比べ1.3ポイント下がった。2020年には石炭消費のシェアを58%以下にするとの目標は達成される見通しである。また、炭素排出強度(GDP当たりの炭素排出)は2016年に前年比6.6%下がったが、2017年にはそれよりもさらに5.1%下がり、2020年の炭素排出強度を18%下げるという目標は達成出来る見込みである。

 レポートによると、2017年の全国の石炭消費は2013年に比べ0.98億tce(標準炭換算トン)、実物量で約3.7億トン減少した。減少幅は3.5%に達したものの、2016年に比べると0.4%増加した。2014年から2016年に3年連続で減少していたのが、2017年に反発が生じたことになる。2018年の全国石炭消費量はさらに反発し、1〜9月の消費量は約28.75億トン、前年同期比3%の増加になった。増加の主な要因は電力、鉄鋼、建材、化学工業等の産業にあり、一方、民生用石炭は大幅に下がった。石炭抑制研究プロジェクト研究グループの試算によると、2018年の通年の石炭消費量は2017年に比べ約4,000万トン、1.2%以上増加する。

 レポートは次のような認識を示している。第13次5ヵ年計画期後半においては石炭消費の減量と代替は様々なチャレンジに直面する。電力消費の伸びが高いこと、現代的石炭化学工業の一部製品の生産能力に対する投資が過剰であること、石炭消費セクターの脱生産能力と石炭消費削減効果が顕著でないこと、電力生産能力過剰のリスクが十分重視されていないこと、民生用石炭分散利用からの転換措置において政府の投資が高く経済性に劣ることなどが挙げられる。

 もっとも、全体的に見ると中国の石炭需要には大幅な増加の余地はなく、クリーン・エネルギーへの速やかな転換とエネルギー効率の向上という圧力の下で、第13次5ヵ年計画期後半には石炭消費は低下軌道に入るとレポートは予想する。

 (中国煤炭網 11月22日)