石炭価格の高騰、電力価格改定の遅れ、利息圧力の増大、設備利用率の低下などの原因で、中国の火力発電企業は半数近くが赤字になっている。中国(海南)改革発展研究院の研究グループが山西省、陝西省等で現地視察を行ったところ、一部の国有火力発電企業はキャッシュフローの断裂に起因する企業閉鎖に直面している。同研究院の専門家は可及的速やかに具体策を講じて火力発電企業の苦境を打開するとともに、電力体制の総合改革を加速して、電力の公益性と商品性の両立を実現すべきと提言している。
2018年上半期にエネルギー産業は全体的に収益を改善したが、火力発電企業は半数近くが赤字になっている。改革発展研究院がリサーチした山西省の火力発電企業は83%が赤字である。ミクロ的に見ると、研究グループが現地視察を行った山西省運城の某電力公司(60万kWの設備2基)の場合、2017年の赤字は2.42億元、累積赤字は25.57億元、資産負債率は151.52%に上っている。
専門家の見方によると、火力発電企業の赤字は様々な要因が重なっているが、特に政策的要素と体制的要素の影響が大きい。
石炭価格は上昇が続き、環渤海一般炭価格指数は2016年6月1日の390元/トンから2017年末には577/トンに上昇し、そのため発電企業のコストが上昇している。
石炭・電力価格連動の仕組みも効果が限られており、石炭コストの変動が電力価格になかなか反映されない。2016年下半期の石炭価格上昇以来、電力価格が引き上げられたのは2017年7月1日の1回だけであり、上昇幅も石炭価格の上昇をカバーするには不十分であった。山西省運城の某電力公司の場合、売電価格の上昇幅は3.93%であったが、同時期の標準炭税抜き総合調達単価の上昇幅は41.24%に上った。
利息圧力が増大している。火力発電企業の投資に際して銀行融資を利用するが、経営における利息圧力は比較的大きい。山西省運城の某電力公司の場合、2017年の利息支出だけでも1.7億元に達し、同社の赤字額の85%に相当した。その結果、火力発電企業は借入がますます難しくなり、資金チェーン断裂リスクに直面している。
ピーク調整と供給保障政策の要因が影響している。
専門家の分析によると、当面の火力発電企業が直面する「悪性循環」を改めない限り、一群の火力発電企業は「資金フロー・生産・銀行融資」が断たれる「キョンシー企業」(キョンシーとは死んでいるにも関わらず動き回る妖怪。キョンシー企業とは実際には倒産していなければならないのに依然経営を続けている企業)になる。中規模以上で比較的先進的な技術を有し環境保護基準も満たしている火力発電企業が「キョンシー企業」に陥ると、電力の安定供給に深刻な影響を及ぼす恐れもある。
研究グループの見解では、火力発電企業の突出した矛盾と問題の解決に向けて措置を講じれば、技術水準が高く管理が規範的な火力発電企業に苦境から脱却する条件が備わり、悪性循環を良性循環に変え、内需拡大戦略をインフラ面から保障することが可能になる。
中国改革発展研究院の専門家は次のように建議している。
中国改革発展研究院の研究グループは次のような見解を示す。「石炭が黒字になれば電力は赤字」「石炭が赤字になれば電力は黒字」という状況から脱する道筋は、電力価格形成の仕組みを合理化し、電力網の独占構造を打破することにある。電力市場化取引の割合を大きくし、統一的な電力取引プラットフォームを速やかに構築して、火力発電企業が取引プラットフォームにおいて電力を購入する企業と直接取引を行うようにする。電力市場の分断を速やかに打開し、省間に跨る電力取引を奨励すべきである。中長期契約とスポット取引を包摂する完全な市場化取引の仕組みを推進する。
(経済参考報 11月28日)
石炭価格の高騰、電力価格改定の遅れ、利息圧力の増大、設備利用率の低下などの原因で、中国の火力発電企業は半数近くが赤字になっている。中国(海南)改革発展研究院の研究グループが山西省、陝西省等で現地視察を行ったところ、一部の国有火力発電企業はキャッシュフローの断裂に起因する企業閉鎖に直面している。同研究院の専門家は可及的速やかに具体策を講じて火力発電企業の苦境を打開するとともに、電力体制の総合改革を加速して、電力の公益性と商品性の両立を実現すべきと提言している。
2018年上半期にエネルギー産業は全体的に収益を改善したが、火力発電企業は半数近くが赤字になっている。改革発展研究院がリサーチした山西省の火力発電企業は83%が赤字である。ミクロ的に見ると、研究グループが現地視察を行った山西省運城の某電力公司(60万kWの設備2基)の場合、2017年の赤字は2.42億元、累積赤字は25.57億元、資産負債率は151.52%に上っている。
専門家の見方によると、火力発電企業の赤字は様々な要因が重なっているが、特に政策的要素と体制的要素の影響が大きい。
石炭価格は上昇が続き、環渤海一般炭価格指数は2016年6月1日の390元/トンから2017年末には577/トンに上昇し、そのため発電企業のコストが上昇している。
石炭・電力価格連動の仕組みも効果が限られており、石炭コストの変動が電力価格になかなか反映されない。2016年下半期の石炭価格上昇以来、電力価格が引き上げられたのは2017年7月1日の1回だけであり、上昇幅も石炭価格の上昇をカバーするには不十分であった。山西省運城の某電力公司の場合、売電価格の上昇幅は3.93%であったが、同時期の標準炭税抜き総合調達単価の上昇幅は41.24%に上った。
利息圧力が増大している。火力発電企業の投資に際して銀行融資を利用するが、経営における利息圧力は比較的大きい。山西省運城の某電力公司の場合、2017年の利息支出だけでも1.7億元に達し、同社の赤字額の85%に相当した。その結果、火力発電企業は借入がますます難しくなり、資金チェーン断裂リスクに直面している。
ピーク調整と供給保障政策の要因が影響している。
専門家の分析によると、当面の火力発電企業が直面する「悪性循環」を改めない限り、一群の火力発電企業は「資金フロー・生産・銀行融資」が断たれる「キョンシー企業」(キョンシーとは死んでいるにも関わらず動き回る妖怪。キョンシー企業とは実際には倒産していなければならないのに依然経営を続けている企業)になる。中規模以上で比較的先進的な技術を有し環境保護基準も満たしている火力発電企業が「キョンシー企業」に陥ると、電力の安定供給に深刻な影響を及ぼす恐れもある。
研究グループの見解では、火力発電企業の突出した矛盾と問題の解決に向けて措置を講じれば、技術水準が高く管理が規範的な火力発電企業に苦境から脱却する条件が備わり、悪性循環を良性循環に変え、内需拡大戦略をインフラ面から保障することが可能になる。
中国改革発展研究院の専門家は次のように建議している。
中国改革発展研究院の研究グループは次のような見解を示す。「石炭が黒字になれば電力は赤字」「石炭が赤字になれば電力は黒字」という状況から脱する道筋は、電力価格形成の仕組みを合理化し、電力網の独占構造を打破することにある。電力市場化取引の割合を大きくし、統一的な電力取引プラットフォームを速やかに構築して、火力発電企業が取引プラットフォームにおいて電力を購入する企業と直接取引を行うようにする。電力市場の分断を速やかに打開し、省間に跨る電力取引を奨励すべきである。中長期契約とスポット取引を包摂する完全な市場化取引の仕組みを推進する。
(経済参考報 11月28日)