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広東省が中国初の風力発電「競争価格」細則を公布 但し悪質な価格競争は奨励せず (18/12/05)
2018/12/5
中国【新エネルギー】

 広東省発展改革委員会はオフィシャルサイトで「広東省洋上風力発電事業競争配置弁法(試行)」並びに「広東省陸上風力発電事業競争配置弁法(試行)」を公布した。国家能源局は今年5月に「2018年度風力発電建設管理関連要求に関する通達」を示達して各地方に対し風力発電事業競争配置弁法の制定を求めていたが、広東省の今回の競争配置弁法は初の地方的な風力発電競争配置弁法になる。

 今回の2つの競争配置弁法は新たに設置された広東省能源局が起草したものである。

 「広東省洋上風力発電事業競争配置弁法」の適用範囲は、「広東省洋上風力発電発展計画(2017−2030年)」に指定されているが2018年5月18日時点で投資主体が確定していない洋上風力発電事業及び2019年以降に許認可を受ける洋上風力発電事業になる。これらの事業は競争配置方式により投資主体と売電価格を確定することを要する。「広東省陸上風力発電事業競争配置弁法」の適用範囲は原則として、広東省の陸上風力発電発展計画に指定されるとともに1年以上の風況計測を完了した陸上風力発電事業である。これら陸上風力発電事業も競争配置方式により投資主体と売電価格を確定しなければならない。なお、こうした措置は国家能源局の「2018年度風力発電建設管理関連要求に関する通達」の要求に合致するものである。

 広東省は洋上及び陸上風力発電の競争配置弁法の中で、評価得点項目を6つに区分している。企業の能力、投資の先進性、技術プラン、事前準備工作、電力受入条件、申請電力価格である。うち申請電力価格の最小得点は40点になり(申請電力価格が低ければ低いほど高得点になり、得点の上限は設けない)、6項目の中で最も大きい。その他の5項目は合計しても60点に過ぎない。

 但し、広東省能源局は申請電力価格の得点方法については工夫を凝らしている。

 洋上風力発電競争配置弁法の場合、申請電力価格の得点規則は次のようになる。洋上風力発電基準電力価格をベースとする売電価格の引き下げ幅が1分(0.01元)/kWh以下の場合、0.05分/kWh引き下げる毎に1点の得点になる。売電価格の引き下げ幅が1〜2分(0.01元)/kWhの場合、1分/kWhを超える部分については0.1分/kWh引き下げる毎に1点の得点になる。売電価格の引き下げ幅が2分/kWh以上の場合、2分/kWhを超える部分については、2分/kWh引き下げる毎に1点の得点になる。

 つまり、洋上風力発電の事業主が申請する電力価格において、1kWhにつき2分引き下げると30点を獲得するが、この得点を得ようとすると難度は急に高くなる。また、2分/kWhを超える部分については、たとえ2分/kWh引き下げても1点しか獲得できない。例えば、40点を獲得するためには合計0.22元/kWh引き下げなければならず、難度は桁違いになる。

 広東省能源局の関係者によると、これは広東省の風力発電産業の良質の発展を考慮して、悪質な競争を奨励しないためである。

 実質的には広東省の風力発電の申請売電価格の引き下げの余地は2分/kWhに止まり、洋上風力発電の売電価格の底値は0.83元/kWh、陸上風力発電のの売電価格の底値は0.55元/kWhになる。

 広東省の風力発電事業競争配置弁法は2019年1月1日から実施され、試行期間は3年になる。

 (中国能源網 12月5日)