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【エネルギー全般・政治経済】

国家統計局「中国の2018年のエネルギー生産は安定的に増加 省エネは着実に推進」(19/01/23)
2019/1/23
中国【エネルギー全般・政治経済】

 国家統計能源統計司長 劉文華

 2018年は中国経済のグリーン・低炭素発展戦略とエネルギー供給側構造改革の持続的推進に伴い、エネルギーの生産・消費革命は不断に深まり、エネルギーのグリーン発展はポジティブな進展を遂げた。エネルギー需給は全体的に安定し、エネルギー消費構造の最適化が継続し、省エネは着実に推進された。

 (1) エネルギー生産は安定的に増加

 原炭生産は回復した。石炭生産能力置換の加速や質の高い生産能力の増産などの政策が持続的に推進されたことで、原炭生産は逐次回復、2018年の生産量は35.5億トン、前年比伸び率は5.2%になり、2017年を2.0ポイント上回った。原炭生産の優勢地区と優勢企業への集中が引き続き進み、内蒙古、山西及び陝西の3つの省・自治区の原炭生産量が占めるシェアは69.6%になり、前の年に比べ2.7ポイント上昇した。原炭生産企業1社当たりの平均生産量は136.7万トンになり、14万トン近く増加した。

 原油生産量の減少幅は縮小した。2016年に大幅に低下した原油生産量は徐々に安定に向かい、2018年の生産量は1.9億トン、前年比1.3%減になった。減少幅は2017年に比べ2.7ポイント縮小した。

 天然ガス生産は急速に伸びた。天然ガス探査開発が絶えず強化され、1日当たりのガス生産量は過去最高を記録した。2018年の生産量は1,610億m3、伸び率は7.5%で、2017年を1.0ポイント下回った。

 発電電力量は急速に伸びた。2018年は「煤改電」(石炭焚き設備の電化)、一般工商業向け電力価格の引き下げや春夏季の高気温、冬季の寒冷などの影響で、電力需要は堅調であり、2018年の通年の発電電力量は6.8兆kWh、対前年比伸び率は6.8%、前の年を1.1ポイント上回り、2014年以降の最高を記録した。同時に電源構造の最適化が進み、原子力発電、風力発電、ソ―ラー発電の発電電力量は2ケタ台の増加を維持した。対前年比伸び率は、原子力発電18.7%、風力発電16.6%、ソーラー19.6%になった。水力発電、原子力発電、風力発電及びソーラーなどクリーン・エネルギー発電の比重は2017年に比べ0.6ポイント上昇した。

 (2) エネルギー輸入は急速に増加

 税関総署の統計速報によると、2018年に原炭輸入は安定的に増加し、原油と天然ガスの輸入量は最高記録を更新した。原炭輸入は2.8億トン、前年比3.9%増になったが、伸び率は前の年に比べ2.2ポイント下がった。原油輸入は4.6億トン、伸び率は前年並みの10.1%。天然ガス輸入は9,039万トン、伸び率は31.9%になり、前の年に比べ5.0ポイント上昇した。

 (3) エネルギー消費構造の最適化が継続

 基本的な試算によると、2018年のエネルギー消費総量は前年比3.3%増加した。その中で天然ガス、水力発電、原子力発電、風力発電などクリーン・エネルギーの比重は前の年に比べ約1.3ポイント上昇し、一方、石炭消費の比重は約1.4ポイント下がった。

 (4) 省エネは着実に推進

 基本的な試算によると、2018年の単位GDP当たりエネルギー消費は前の年に比べ3.1%下がり、年間引き下げ目標を達成した。特に一定規模以上の工業の付加価値当たりのエネルギー消費は3.7%下がった。

 (中国能源網 1月23日)