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三峡集団のポルトガル電力買収案が抵抗に直面 (19/02/15)
2019/2/15
中国【電力】

 中国長江三峡集団によるポルトガル電力(EDP)買収案が改めて抵抗に直面している。

 ロイター電によると、先般、Elliott Advisors(UK) Limited はEDP取締役会への公開書簡の中で、三峡集団がEDPを90.7億ユーロで買収するとの方案は株主の最大利益に合致しないと指摘し、代替案を進めるよう呼びかけた。

 Elliott Advisorsはリサーチの結果、断固として次のような見方を示した。EDPは質の高い多くの資産を有し、ポテンシャルは巨大であるが、その資産に対する評価は低い。三峡集団がオファーした1株3.26ユーロという価格は著しく低くかつ「受け入れ不可能」である。Elliottの見積もりでは、1株4.66ユーロが妥当であるが、これは三峡集団の提示価格より50%高い。

 Elliott Advisorsが提示した代替案は、EDPがブラジル子会社の株式、イタリアの販売業務の株式40%や熱エネルギー資産を売却して76億ユーロを調達するとともに再生可能エネルギーの発展に注力すべきというもの。Elliottは、この代替案は「確実にEDPの未来をより明るくする」の見方を示している。

 Elliott Advisorsは米国のラジカル投資ファンドElliott Management Corporationに所属し、現在EDPの株式の2.9%を保有している。

 EDPはElliott Advisorsの提案を検討し、3月12日に2018年の経営状況と会社の発展戦略計画を発表すると回答した。

 三峡集団は2011年にEDPの株式21.35%を26.9億ユーロで買収し、さらに2017年には7,000万株買い増しして持ち株を合計23.25%にし、EDPの筆頭株主になった。2018年5月、三峡集団はEDPを買収すると宣言し、残りの76.73%の株式買収に90.7億ユーロを費やすとの予想を示した。

 当時、EDP取締役会も三峡集団の提示価格は低すぎるとした。

 なお、三峡集団が海外において経営権を有する発電設備及び権益を有する発電設備は1,700万kW近くに上り、EDPの他にもドイツ最大の洋上風力発電事業を経営支配している。

 三峡集団はEDPとの協力によって世界第2位の水力発電市場であるブラジル市場への進出にも成功することになる。

 (界面新聞 2月15日)