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【石炭】

中国石炭企業90社が3割近くの増益 (19/03/04)
2019/3/4
中国【石炭】

 3月1日に中国煤炭工業協会が発表した統計によると、2018年の全国の一定規模以上の石炭企業の主営業収入と利益総額はいずれも増加し、企業のキャッシュフローは大幅に改善、資産負債率は小幅の低下を示した。

 具体的に見ると、2018年の全国の一定規模以上の石炭企業の主営業収入は2兆2,700億元、前年比5.5%の増収になった。利潤は2,888,2億元、前年比5.2%の増益。中国煤炭工業協会が集計した大手石炭企業90社の利潤総額(石炭以外も含む)は1,563億元、前年比26.7%の増益になった。一定規模以上の石炭企業の売掛金総額は2,403.5億元、前年比0.6%増であったが、大手90社の売掛金総額は1,754.485億元、前年比22.7%下がった。一定規模以上の石炭企業の資産負債率は65.7%、前年に比べ2ポイント下がった。

 「ここ2年、石炭産業の収益は全体的に上昇したが、赤字企業の比率は依然20%に上っており、一部企業は経営が依然苦しい。産業には構造的問題が依然付きまとっている」と中国煤炭工業協会の関係者は指摘し、「石炭企業は全体的に負債率が高く、大手企業では69%前後になる。ここ数年、『三去一降一補』(脱生産能力・脱在庫・デレバレッジ・コスト引き下げ・不足部分の補完)によって若干改善したが、企業の固定経費は石炭資源の在庫状況と年限によって左右されるので、マネジメントを通して引き下げることは難しい。加えて、地質条件が複雑であるため、一部コストは制御不可能である。このことは資源的産業としての石炭産業固有の特徴だ」と述べた。

 供給側構造改革のおかげで、上場石炭企業は増益を開始し、2017年上半期には上場企業34社の8割近くが100%以上の増益を実現した。2018年には石炭価格の高止まりと小幅の変動を受けて、上場石炭企業の収益力は一層強化された。

 2018年の業績予想を発表した石炭企業21社のなかで、前年に比べ業績が若干下がった企業は3社だけであり、残りの19社はプラス成長を実現した。21社いずれも黒字予想であり、この2年間で最良の成績を示している。

 「昨年は先進的生産能力の石炭供給が増加した。石炭企業のコストは資源の影響を受けるところが大きい。スケールメリットを備え資源賦存状況も良好な先進的生産能力は生産コストが相対的に低く、そのため大幅な増益になった」と中国煤炭工業協会の関係者は指摘しつつ、「上場企業は概して優良企業だ。そのため、こうした企業の利益によって産業全体の収益状況を評価しても完全な典型性を伴わない」とした。

 第13次5ヵ年計画の石炭脱生産能力の主要目標が基本的に達成され、それに伴い石炭産業は総量的脱生産能力から、系統的、構造的脱生産能力に転換している。

 2018年末時点で、全国の炭鉱数は5,800ヵ所に減少し、平均年間生産能力は92万トン前後になった。全国の炭鉱数は大幅に減少し、大型現代化炭鉱が石炭生産の主体になっている。上位8社の原炭生産量は14.9億トン、全国総生産量の40.5%を占める。

 中国の石炭消費量は2013年にピークに達し、その後年々減少していたが、2017年から小幅の増加を開始した。国家統計局が発表した2018年国民経済社会発展統計公報によると、2018年のエネルギー消費総量は46.4億tce(標準炭換算トン)、前年比3.3%増になり、石炭消費量は1.0%増加した。

 中国煤炭工業協会の予想では、2019年に質の高い生産能力の増産が次々に進められ、石炭市場の持続的供給がさらに上昇する見込みである。需要側ではやや鈍化があるものの、中国煤炭工業協会は石炭需要を約40億トンと予想している。石炭の上流と下流の産業チェーンにはすでに安定的な関係は形成され、そのことは石炭価格の安定にも寄与する。

 (中国能源網 3月4日)