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中国 2019年の新エネ車補助金をさらに50%引き下げ (19/03/27)
2019/3/27
中国【新エネルギー】

 2019年の新エネ車補助金政策が正式に発表された。2020年の補助金の完全撤廃まで「2ステップ」方式を採るが、2019年の補助金の引き下げ幅は50%に達する。中国の新エネ車産業規模の急速な拡大に伴い、補助金に依存するローエンド企業は淘汰の運命が定まった。補助金が断たれる中、自動車の品質をいかに向上させるかが「サバイバル」の鍵になる。

 3月26日、財政部の関係責任者は今年の補助金政策について解説した際、新エネ車産業が2020年以降の補助金撤廃に向けて平穏に移行できるようにするため、段階的に圧力を調整する方法を講じると表明した。すなわち、2019年の補助金基準は2018年から平均50%引き下げ、2020年末には撤廃する。この引き下げ率は当面の完成車企業のコスト引き下げの比率と基本的に適応する。

 3ヵ月の移行期間を設定

 市場はこれまで引き下げ率を40%と予想していたが、実際の引き下げ率はより大きなものになった。但し、財政部や工業情報化部など4省庁による「新エネ車応用普及の財政補助金政策のさらなる完備に関する通達」は3ヵ月の移行期間を設けている。

 通達によると、2019年3月26日〜6月25日が移行期間になり、同期間内において販売される車両で2018年の技術指標の要件に適合するが2019年の要件に適合しない車両への補助金は「新エネ車応用普及財政補助金政策の調整と完備に関する通達」の対応標準の1割とし、2019年の技術指標の要件に適合する車両については2018年の対応標準の6割とする。移行期間に販売される燃料電池車の補助金は2018年の対応標準の8割とする。

 前出の財政部幹部は次のように強調した。長期にわたる補助金政策のため一部企業は「補助金依存症」に陥り、産業の競争力は弱い。また、消費応用環境にも依然改善の余地がある。一部の地方は使用プロセスに対する投資が十分でなく、充電等のインフラが健全でないことは、新エネ車産業の発展を制約する重要な要因になっている。

 「補助金の引き下げは必然の流れであるが、市場に及ぼす衝撃には警戒しなければならない」と中国汽車流通協会市場研究分科会の崔東樹事務局長は指摘する。今回の補助金引き下げ幅は極めて大きなものであり、関連企業が補助金引き下げによる影響を完全に消化することは不可能である。値上げによって消費者に転嫁することになるが、そうなれば消費者の実際の購入価格は大幅に上昇し、新エネ車市場に極めて大きな衝撃を及ぼす。

 もっとも、中国汽車工業諮詢発展公司の首席アナリストである賈新光氏は、車載電池は新エネ車製造コストの中で極めて大きな位置を占めているが、技術革新によって電池コストを引き下げることが出来れば、補助金引き下げが市場に及ぼす影響も弱まると指摘する。

 航続距離250キロのレッドライン

 2019年の補助金政策は補助金基準の面でも比較的大きな変化があった。

 航続距離の面では、2018年の規定では、航続距離150キロ以下の車種には補助金が適用されず、150〜200キロは1.5万元、200〜250キロは2.4万元、250〜300キロは3.4万元、300〜400キロ及びそれ以上は4.5万元であった。

 しかし、2019年の補助金政策では、補助金が適用される最低航続距離は250キロに引き上げられ、航続距離の区分は250〜400キロと400キロ以上の2等級に分けられ、補助金は250〜400キロは1.8万元、400キロ以上は2.5万元と半分近くに縮小した。また、純電動状態の航続距離が50キロ以上のプラグインハイブリッド車の補助金は2018年の1.2万元から1万元に下げられた。

 地方の補助金も引き下げのシグナルが徐々に鮮明になっている。通達の規定により、地方政府は移行期間後に購入補助金を新エネ車(路線バスと燃料電池車を除く)交付することは禁じられ、充電(水素補給)インフラの建設や関連運営サービスに転用することを義務付けられる。財政部、工業情報化部など4省庁は「移行期間後においても地方政府が購入補助金を交付している場合、中央政府はそれに応じて関連財政交付金を差し引く」と強調している。

 (中国能源網 3月27日)