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【石炭】

米中貿易戦争 中国財政部は米国産原料炭の関税免除を許可するのか (19/05/17)
2019/5/17
中国【石炭】

 5月13日、中国財政部は公告を発し、米国からの一部輸入品を対象に関税を免除することを決定した。その中には米国から輸入する原料炭も含まれる。昨年以来、米中貿易関係が緊張し、中国は米国からの輸入品の一部に追加関税を課している。

 財政部の「対米追加関税品目除外工作試行弁法」公告によると、石炭も含む第1期除外申請品目については、2019年6月3日から7月5日まで申請を受け付ける。第2期除外申請品目については、2019年9月2日から10月18日まで申請を受け付ける。

 公告によると、申請に当たっては、事実とデータによって理由を説明しなければならない。例えば、代替品を探すことが困難であるケースや追加関税が申請者に深刻な経済的損害を及ぼすケース、追加関税が関連産業に対し重大な負の構造的影響(産業発展、技術の進歩、雇用、環境保護といった面での影響など)や深刻な社会的影響をもたらすケースなどである。

 2018年8月7日、米国は中国から米国へ輸出される商品に25%の追加関税を課し、8月23日には発効させた。一方、中国政府は、8月23日から米国の対中輸出商品160億ドル相当に25%の追加関税を課すことにした。中国がそれまで米国産原料炭に課していた関税は3%であった。

 S&P Plattsによると、米国の某石炭企業は、米国から中国へ輸出される原料炭の関税が免除される可能性はあまり大きくはないと指摘している。中国の需要家はモンゴル、オーストラリア、ロシアや国内市場から米国産原料炭に代替できる商品を見つけられるからである。但し、今回の措置によって中国の原料炭需要家は選択肢を増やすことが出来る。

 中国通関統計によると、2019年第1四半期に中国が米国から輸入した原料炭は6.06万トン、前年同期比45%の大幅減になった。2018年の輸入量は210万トン、前年比33%減。

 中国の原料炭総輸入量の中で米国産原料炭は極一部に過ぎない。中国への主要な原料炭輸出国はオーストラリアとモンゴルであり、2018年の原料炭輸入総量の中で両国からの輸入は88%を占めた。

 (中国煤炭資源網 5月17日)