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中国2019年Q1のPVモジュール輸出が7割もの大幅増 インドに代わりベトナムが最大輸出先に (19/05/23)
2019/5/23
中国【新エネルギー】

 中国のPVモジュール輸出市場は米国やインドから新興市場へとシフトしている。

 中国機電産品輸出入商会が発表した「2019年第1四半期中国PV製品輸出入分析」によると、2019年第1四半期には国内PVモジュール価格の急速な下落によって海外新興市場の需要は堅調が続き、中国のPVモジュール輸出量は16.78GW、前年同期比77.63%もの大幅増になった。輸出額は31.89%増加して43.9億ドルに達した。

 2019年第1四半期の輸出先上位5ヵ国は、ベトナム、オランダ、インド、日本、オーストラリア。ベトナムがインドに代わって中国のPVモジュールの最大輸出先になった。ベトナムへの輸出額は239倍増えて7.39億ドルになり、総輸出額の16.8%を占めた。

 第1四半期の中国のPVモジュールの対米輸出はわずか0.01GW、前年同期比28.9%の減少になった。近年、米国の「ダブルアンチ(反ダンピング・反補助金)」、201条(セーフガード)、301条(不公正貿易)など保護貿易政策の影響により、中国から米国へのPVモジュール輸出は徐々に減少している。

 また、「メイク・イン・インディア」政策の影響を受けて、2019年第1四半期の中国からインドへのモジュール輸出量は前年同期比24.4%下がって、1.81GWに止まった。「メイク・イン・インディア」政策は政府及び中央公共事業機関が系統連系型太陽光発電事業を建設する場合、PVモジュールの100%を国内製にすることを義務付けている。

 一方、EUのダブルアンチ政策の撤廃により、第1四半期の中国からEUへのモジュール輸出量は大幅に増加した。

 第1四半期のオランダへの輸出量は1,049.6%、スペインへの輸出量はあ158.3%もの大幅増になり、メキシコ、ウクライナ、パキスタン等への輸出量も前年同期に比べ大幅な増加になった。日本への輸出量は8.2%と小幅の増加に止まった。

 「2019年第1四半期中国PV製品輸出入分析」によると、米国の種々の保護貿易措置の影響により、中国のPV製品は米国への門戸を閉ざされたが、EU市場は自由貿易の回復により輸出が急速に増加することになる。また、メキシコ、オーストラリア、トルコ、アラブ首長国連邦等の新興市場が中国のPV製品の輸出を牽引するだろう。

 同時にPVグローバル市場の多元化がさらに進んでいる。総輸出量に占める輸出先上位5大マーケットのシェアは52%であり、2013年に比べ10ポイント下がった。

 輸出企業別では、2019年第1四半期のPVモジュール輸出額上位5社とシェアは、晶科能源12.8%、晶澳太陽能8.6%、天合光能8.3%、阿特斯7.3%、隆基股份6.7%。総輸出量の中で上位12社の輸出量が65%以上を占めた。

 「2019年第1四半期中国PV製品輸出入分析」の予想によると、2019年の中国のPVモジュール生産能力は8.5%増えて約93GWになり、グローバルPV市場は約10%成長する。中国は50GW近くのモジュールを海外市場へ輸出することになるが、輸出価格は下落が続くだろう。

 (界面新聞 5月23日)