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【原子力】

中国次世代「人工太陽」の建造開始 2019年末完成の見込み (19/06/05)
2019/6/5
中国【原子力】

 6月5日の中国核工業集団(中核集団)の発表によると、成都で「中国環流器二号M(HL-2M)」装置のメインコイルシステムの引き渡しが完了し、中国独自開発の「人工太陽」の建造が正式に開始された。

 HL-2Mは現時点で中国最大のトカマク装置であり、中国次世代核融合実験装置とも呼ばれる。中核集団核工業西南物理研究院が建造を請け負っている。

 太陽の光と熱は内部の熱核融合反応に由来する。トカマク装置はこの原理を模して建造され、そのため「人工太陽」とも呼ばれる。

 中国が独自に設計、試作した世界初の超伝導トカマクEAST核融合実験装置は2006年に最初のエンジニアリング調整試験に成功し、2007年3月には国の検収にパスした。

 西南物理研究院は「中国環流器一号(HL-1)」、「中国環流器新一号(HL-1M)」及び「中国環流器二号A(HL-2A)」装置を建造し、現在、「中国環流器二号M(HL-2M)」装置を建造中である。

 『四川日報』の3月の報道によると、西南物理研究院の研究員でHL-2M総工程師の楊青巍氏はHL-2M装置が今年末には完成するとの見通しを示していた。

 中核集団によると、HL-2M装置は中国も参加している国際熱核融合実験炉(ITER)プロジェクトの実験と運転や、中国独自設計の未来の核融合炉に対して重要な技術サポートになる。

 国際熱核融合実験炉(ITER)プロジェクトはより大きな規模の「人工太陽」を建造するものであり、EU、中国、米国、日本、ロシアの7機関が参加している。中国は2003年にITER計画に参加し、ITER装置の製造請負任務137件のうち12件を請け負っている。

 (界面新聞 6月5日)