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【石油・天然ガス】

中国がエネルギー夏季ピーク対応策を通達 CNPCとシノペックはガス貯蔵庫の建設を加速 (19/06/26)
2019/6/26
中国【石油・天然ガス】

 6月25日、発展改革委員会と能源局は2019年エネルギー夏季ピーク対応策を通達し、ガス貯蔵施設の建設を加速し、貯蔵能力の不足部分を補完するよう求めた。各地方は計画目標に従って総合的な計画を強化し、ガス貯蔵施設の建設を科学的に加速するよう求められる。ガス貯蔵任務の目標を達成できていない地区は予備用LNGタンクコンテナの増設やガス貯蔵能力の賃借、需要家との中断可能な供給契約といった方式によってガス貯蔵の責任を全うしなければならない。各地方の関係政府部門は着工済みの事業が予定通り稼動するよう推進するとともに、許認可済みの事業にも可及的速やかに着工して、中央政府予算による投資助成事業の予定通りの稼動を確保しなければならない。

 この2年、中国石油天然ガス集団(CNPC)と中国石油化工(SINOPEC)はガス貯蔵インフラの建設を加速しており、天然ガスパイプライン網へのガス源の不足を有効に調節して、天然ガス供給を強力に保障している。

 シノペック新聞弁公室によると、中国石化天然気分公司の「文23」ガス貯蔵庫の圧入量は10億m3に達し、段階的な圧入目標を前倒しで達成した。クッションガスが完了すると華北地区の季節的な天然ガスピーク調整と緊急保障に向けて予定よりも早く資源的保障を提供できる。

 CNPCは今年初頭、2019〜30年の地下ガス貯蔵庫建設計画部署会議を開き、傘下の油田公司とガス貯蔵庫事業建設責任書を取り交わし、10ヵ所のガス貯蔵庫(群)の拡張と23ヵ所の貯蔵庫の新規建設を明確にした。

 CNPCによると、この貯蔵庫建設計画案はガス貯蔵庫の速やかな建設を指導するものであり、CNPCの天然ガスピーク調整と供給保障能力を増強し、中国のガス貯蔵とピーク調整能力の不足を補う。

 国内の天然ガス消費の急速な増加が続く中で、対外依存度は上昇し、そのため、ガス貯蔵庫の建設をスピードアップすることを迫られている。

 現在、中国の完成済みの地下ガス貯蔵庫は25ヵ所、ガス貯蔵規模は400億m3に達し、天然ガスピーク調整量は100億m3になる。

 シノペック経済技術研究院が発表した「2019中国エネルギー化学産業発展報告」によると、中国の天然ガス市場は2019年もタイトな需給バランス状態が続く。天然ガス供給能力が上昇して、市場の需要を基本的に賄うことは可能であるが、「煤改気」(石炭焚きボイラー等のガス化)等の政策に押される形で、一部地区の需要の伸びがインフラ建設のスピードを上回り、需要のピーク期には依然として供給が逼迫する恐れがある。

 平安証券のアナリスト陳建文氏によると、中国の天然ガス消費構造には明確なオフシーズンとオンシーズンがあり、そのため、暖房シーズンの天然ガスピーク調整と供給保障の圧力が極めて大きい。ガス貯蔵庫は今や中国の最も重要なピーク調整の手段になっているが、先進諸国と比べると、中国の天然ガス地下ガス貯蔵庫は極めて不十分であり、そのため、中国はこの数年、ガス貯蔵庫の建設を加速させている。

 (人民網 6月26日)